生涯に渡って自分自身(肉体的性質)を研究し続けなければならない

わたしたちがみじめな者になり、悪人になるのは、わたしたちの能力をまちがってもちいるからだ。わたしたちの悲しみや心配や苦しみはわたしたち自身から生まれる。精神的な悪は疑いもなくわたしたちがつくりだすものだが、肉体的な悪も、わたしたちにそれをつらく感じさせることになったわたしたちの不徳がなければ、なにも苦にならないはずだ。自然がわたしたちにいろいろな必要を感じさせるのは、、わたしたちの身をまもるためではないか。体の痛みは体の調子がくるっているしるし、そのくるいをなおせという警告ではないか。死は……。悪人たちはかれら自身の生活とわたしたちの生活を毒しているではないか。いつまでも生きていたいと思っているような者がどこにいるだろう。死はあなたがたが自分でつくりだしている病気をなおす薬なのだ。自然はあなたがたがいつまでも耐え忍んでいることを欲しなかったのだ。原始的で単純な生活をしている人間は、苦しみに悩まされることがどんなに少ないことだろう。そういう人間はほとんど病気をすることもなく、情念も感じないで生きているし、死を予感することもなく、感じることもない。それを感じるときには、かれのみじめな状態が死をありがたいものにしている。だからかれにとっては死は不幸ではなくなっている。あるがままで満足していれば、わたしたちは自分の運命を嘆くことはあるまい。ところがわたしたちは、空想的な幸福をもとめて、かずかずの現実の不幸をまねいている。すこしばかりの苦しみにも耐えられない者は、多くの苦しみをうけることを覚悟しなければならない。人は、不規則な生活によって体をそこなうと、薬によって健康を回復しようとする。いま感じている苦しみに、さきのことを心配して、さらに苦しみをつけくわえる。死の予想は死を恐ろしいものと感じさせ、それをはやめる。死をのがれたいと思えば思うほど、いっそう身近に死を感じることになる。こうして人は一生のあいだ、自然に背いたことをして自分でまねいた悪を自然のせいにして愚痴をこぼしながら、恐れのために死んでいるのだ。   『エミール』 ルソー著より


私の思想のルーツがここにあり、ルソーを愛してやまない理由もまたここにある。

”病気にならないような生き方”

これは一つの生活方針であると思う。健康は最も尊い。親からもらったこの身体、長く快調に保ちたい。人間は元来、快適さを求める。しかし、一番手近な肉体に対しては快適よりもむしろ、不快や苦痛を欲しているようである。これはいったいなぜであろう?私たちは刺激を求めすぎるあまり、あらゆる刺激に慣れすぎてしまっている。自然があまりに味気なくなってしまっているのである。

自分の身体が、脳も含めて、唯一無二の私にだけ与えられた特別なものであるとわかったとき、私は生涯に渡って自分の特性を研究し、それに適った暮らしと日々を実現していかなければならないと思った。すなわち、適切な睡眠時間でさえも、個人差があり、理想を追求する必要があるということである。常識は絶対ではなく目安となり、時間をはじめとするあらゆる数字によってあらわされる概念は社会という枠組みの中で考えられたものであって、一個人としては時間は参考になるだけである、時間が何かを強制することは本来ありえないことだ。私たちは太陽に支配されているのか?それとも時間に支配されているのか?考えてみればわかることである。私の健康へのアプローチも同じ過程をたどる。私にとってのアルコールはどうなのか?たとえアルコールが毒だといっても、あの香り、あのおいしさ、あの気分を味わうことこそが人生だといえなくはないだろうか?単に長生きしてみたところで味気ない。病気になってもつまらない。私はもはや矛盾を恐れない。酒をあおりながら、健康と長寿を賛美するのである。いや違う、私は人生を賛美し、わが肉体を賛美するのである。

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No title

>人間は元来、快適さを求める。
人間を、生き物とするならば。
>しかし、一番手近な肉体に対しては快適よりもむしろ、不快や苦痛を欲しているようである。これはいったいなぜであろう?
僕たちを、生き物の自然の秩序から逸脱させたものは、まずは、言葉。
言葉によって、生理的身体から外れた意識を持って、思考し、行動しますから。

本来なら、生き物が享受しようとする快適さを求めるのではなく、
ときに、不快や苦痛を欲しているのは、
ラカンなら、快感さを先延ばしにしたいから、といいます。
もうちょい熱いサウナをがまんしたら、うまいビールが飲めるぞ~、
って思ってるうちに、サウナじたいが気持ちよくなってきて、
さらに、サウナに行く凍えそうな道のりもまた快感。
人は、あらゆる動物から、馬鹿だね~、って思われてますよw。

>原始的で単純な生活をしている人間は、苦しみに悩まされることがどんなに少ないことだろう。そういう人間はほとんど病気をすることもなく、情念も感じないで生きているし、死を予感することもなく、感じることもない。
と思っているのは、ルソー。
未開人は、同じ批判をルソーに向けていて、
未開人の知識の方が、ルソーよりもバランスの取れたものと思っていましたw。
ルソーは、あらゆる未開人から、馬鹿だね~、って思われていたことでしょう。

コメントありがとうございます。

>未開人は、同じ批判をルソーに向けていて、
未開人の知識の方が、ルソーよりもバランスの取れたものと思っていましたw。
ルソーは、あらゆる未開人から、馬鹿だね~、って思われていたことでしょう。

未開人からしたら、文明人は本当に迷惑な存在ですよね。地球規模で文明人の在り方を今一度考え直す必要がありそうです。

人間の生命活動の方向はどこに向いていると思いますか?快感ですか?生き物はおそらく繁殖でしょうから、安全や強さなどを求める(快適さとはまた異なるかもしれません、私は人間は快適さを求めていると思います。心地よさでしょうか。)のでしょう。
また、未開人と文明人は異なるのでしょうか、それとも目的は同じで、二つの違う方法をとってその目的を達成しようと思っているのでしょうか。繁殖、健康、自由、なんでしょうかね、私たちが求めているものは。

No title

>未開人からしたら、文明人は本当に迷惑な存在ですよね。地球規模で文明人の在り方を今一度考え直す必要がありそうです。
ほんとにね~。原発事故とか、温暖化とか、
なにをやってくれてるんだ、って言われそうですが。
プラスティックが作れなくなるまでは、僕たちには、反省なんて無理なんぢゃないか?
なんて思います。

>人間の生命活動の方向はどこに向いていると思いますか?快感ですか?生き物はおそらく繁殖でしょうから、安全や強さなどを求める(快適さとはまた異なるかもしれません、私は人間は快適さを求めていると思います。心地よさでしょうか。)のでしょう。
大きなことは考えられないので、僕と僕の身の周りで考えると、
それでも、僕はなにを指向しているのか、つき詰めると分からないわ~w。
その問いに答えるのは、宗教だろうな~。

話を逸らして、心地よさでいうとね、
眠っているとき、っていいよなぁ、と思う。
二度寝とか、最高でしょ?w
あの眠りの心地よさのためなら、毎日の少々疲れる生活も、損得がつりあう気がしますw。
動物って無駄に寝てますよね。

生き物は、必ず死ぬのに、死を引き延ばしている、ってことは、
生き物にとって死は、とんでもない快感なのかもしれない。
毎晩、軽く死んでいることでさえ、めちゃ気持ちいいから。

>また、未開人と文明人は異なるのでしょうか、それとも目的は同じで、二つの違う方法をとってその目的を達成しようと思っているのでしょうか。繁殖、健康、自由、なんでしょうかね、私たちが求めているものは。
まったく、なにを求めているのか~。
例えば、猫に生まれたら、
もうすでに猫だから、それ以上に猫らしくなんて考えない。
そして、それが猫らしいあり方だから、猫に生まれただけで完成されています。
人間に生まれたなら、男に生まれたなら、この時代の日本に生まれたなら、
もうそれ以上に、人間らしく、男らしく、現代人らしく、日本人らしく、しなくていいはずなのに。

そのあたり、純粋な未開人に訊いてみたいです。
もう絶滅したかな。
観光未開人というか、兼業未開人というか、
21世紀の未開人は、職業みたいなものかもなぁ。
プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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