正しい者が生き残るのではない、生き残った者が正しいのだ


人類の歩みに貢献した人々はみな等しく、運命に対する用意ができていたからこそ、有能有為だったのだ。それはモーゼにも仏陀にも、ナポレオンにもビスマークにもあてはまる。人間がどんな波に仕え、どんな極から支配されるかは、自分かってに選びうることではない。もしビスマークが社会民主党員を理解し、そこにピントを合わせたとしたら、彼は賢明な人であったかもしれないが、運命の人ではなかっただろう。ナポレオン、シーザー、ロヨラ、みんな同様だった。それを常に生物学的に進化論的に考えなければならない。地球の表面における変革が水棲動物を陸地にほうり上げ、陸棲動物を水中にほうりこんだとき、新たな前例のないことを遂行し、新しい順応によって自分の種を救うことができたのは、運命に対する用意のできていたものだった。それが以前その種の中で保守的なもの持続的なものとしてひいでたものであったか、あるいはむしろ変わり種であり革命的なものであったかどうかは、わからない。彼らは用意をしていた。だからこそ自分の種を救って、新しい発展に進むことができたのだ。それをぼくたちは知っている。だから、用意をしていよう。   『デミアン』より


「なぜ生きているのか?」

この問いに対する自分なりの答えを持っていない者は不幸である。またそんなこと考えたことのない人間は脳天気なのだろう。

生きている事実が厳然としてある。だから私たちは自分の生きやすいよう、住み心地のよいように環境を変えながら生きている。自分の都合のいいように状況を変えようとする。だからみんな自分勝手だ。それは生存本能なのだ。生物としての存在である以上、種の保存ということは考えなければならないだろうと思う。私たちで言えば、人間として生き延びていくことを考えること。人間なんて絶滅すればいいという考えの人間がいるかもしれないが、それはほとんど意味がないことに気づく。なぜなら、彼が子孫を残さなくても、ほかの人間が残すだろうから絶滅することには直接つながらない。ただ、事実としてそうした種の保存に消極的な傾向をもった種が減ったということだ。結果的に人類の発展に貢献したことになる。この考えによって、人間否定、そして自殺、が馬鹿馬鹿しくなった。僕が死んだら却って人類に貢献することになるのである。人間と未来を否定するための自殺が、その逆の結果を生むのである。自殺することはすなわち、種としての不完全性を示す行為にすぎない。存在してしまっている自分という存在自体ですでに、なんらかの人類に対して貢献しているわけである。ならば、生きて貢献するほうが気持ちがいい。

なんか、僕の中で俄然「馬鹿」が都合のいい表現になった。反応があるということはやはり意味があったということではないだろうか。今更、相対性、どの意見も間違いではない、ということはほとんど意味がないと僕は考える。もっともらしい言葉、当たり障りのない、無難な言葉を遠慮がちに使うことも無力だ。顔色をうかがって発言の意図を二転三転させたり、大多数の気に入られるような甘言をあやつるのを僕は良しとしない。意図的にきわどい言葉を繰り出したい。

「馬鹿」は馬鹿の生き方がある。国公立大を卒業せずに豊かな人生を送ることも結構だし、「論語」も読まず、人生を歩むことも構わない。彼らは彼らなりの生き方を選び、もしそれが進化論的に正しければ、生き残っていくのだろう。国公立大を卒業して無難な?人生を歩むやり方も、結果はどうだかわからない。だが僕は、生き残るために、「1+1=2」の理解力でもって、「馬鹿」に負けないようにしなければならない。だから僕にとっては「住み分け」という感覚が必要なのである。平等主義者からは非難されるにちがいない。僕のような弱い存在は、「馬鹿」という競争相手をはっきりと認識し、自分の存在を保たなければならないのである。

意見は人それぞれ違っていいはずだ、いや違わなければならない。皆が同じ方向を向くことは進化論で言えば悪い傾向だ。僕にとっての「馬鹿」が意味があるのであって、その「馬鹿」自身は何の意味もない。僕が種を救い、発展させないとも限らないし、「馬鹿」が種を救い、発展させないとも限らない。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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