己の弱さを乗り越えよ


もしあなたが、なにか顕著な災厄のもとに苦労しているならば、もしある異常な悲運によってあなたが貧困、病気、不名誉と失望におとしいれられるならば、たとえ部分的には、あなた自身のあやまちが原因であったかもしれないにしても、それでもあなたは一般に、あなたのすべての友人のもっとも真剣な同感をたよりにしていいのであり、利害関心と名誉が許すだろうかぎりにおいて、かれらのもっとも親切な援助にも、たよっていいのである。だが、もしあなたの悲運が、この恐ろしい種類のものでないならば、もしあなたが、あなたの野心を少しばかりくじかれたにすぎないならば、もしあなたが、愛人に甘やかされてすてられたにすぎないか、妻の尻にしかれたにすぎないならば、あなたのすべての知人のひやかしを覚悟すべきである。   『道徳感情論』より


僕は何度も絶望した。少なくとも僕にとって人生とは絶望を積み重ねていくことだ。絶望を解消することはできない、乗り越えるか死ぬかだ。けれども、乗り越えられない絶望は与えられないと僕はあくまで信じている。そしてまた、災厄による苦労を―幸い僕の災厄なるものは顕著ではない―表立たないようにひそかに克服していくことが美徳であると考えているからほのめかすことはあれど、告白することは決してしない。それに仮に告白してみたところで、おそらく顕著でないがゆえに、きっとかえって誤解を招くに違いない。僕は真実を愛し、美徳を重んずる。誤解ややましさが入り込む余地が少しでもあるならば、僕は嘘と偽りを厭わない。それでも僕は、その真実に塗りつけた嘘と偽りの一つひとつを剥がしていくことになるだろう。この嘘と偽りは僕の自尊心を守っているものであるから、それを剥がすことは僕の弱さを明らかにすることで、それに負けないだけの力を獲得しなければならない。僕はその力をグレートと呼ぶ。己の弱さを乗り越えよ(弱さは克服するものでない)。汝、グレートであれ。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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