誤算


僕の予想は大きく外れた。ブログを始めて十分に時間は経過した。記事を重ね、内容を充実したものにすれば、おのずと人の目に触れることも増え、こう言ってよければ、同志と呼べる人たちとの有意義な交流が期待できると考えていたのだ。名高い文学作品をバランスよくちりばめながら、名言や名文を取り上げて現代風、あるいは個人的観点、つまり特定の観点からの探究、こうした試みは少なからず一般的な人間であるならば興味をひかれるだろうと思った。しかし、違うようである。今の時代に文学作品は必要であるが、必要とされていない。共通認識として存在しえない文学はもはや力を持たない。かつては共通の話題にもなったことだろう。お互いの思想や考えを代弁するためのいい道具ともなっただろう。多様化し細分化した現在において、共通認識ということがどれだけ可能なのだろうか。お互いが好きなことを話し、とんちんかんな会話を繰り返しながら、互いに誤認識、誤解を重ねていく。相手の理解よりも、自分の主張、それが重要視されている。みんな、読むことよりも発信することに関心がある。金のため、話題のために、薄っぺらな知識に裏付けられた小気味よい言葉が周囲にあふれている。

僕は愚かであった。多大な時間と労力を無駄にした。書かないでいいことも書いたし、書きたくないことまでも書いた。人の目に就いていないのだからまったく問題ないのだが、少なからず何かを傷つけたし、何かが減じたであろう。十中八九読まれないであろう、一つの小説をかきあげるか、思考の断片かつ一過性のもので埋もれるブログを書き続けるか、その選択を考えたとき、僕が選んだのはブログであった。しかし、今この瞬間、僕は敗北し、失敗した。その選択は誤りであった。書き続けて感じたことは、僕が自分で考えている以上に、一般性から外れた、異常性を有しているということであった。当然共感も得られなければ、人からの関心も得られようはずがない。「孤独な放浪者の随想」、このタイトル自体が矛盾していることに僕は薄々気づいていたが、振り返ってみて、間違いなく孤独な放浪者の随想であったと思う。全力を尽くして小説に挑めば、なにか道が開けるかもしれない。僕は挑戦してみたい。諦めないという姿勢だけは持ち続けていたいのだ。

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こんにちは、はじめまして。

作文は、快楽でよくないですか~?
楽しい時間の使い方、です。
そして、考えごとは、趣味です。

考えろ、といわれても考えない人がいて、
考えるな、といわれても考える人がいます。
どちらも、賢くもないし、愚かでもなく、
単なる個人の趣味です。

多くの考えごとは、
関心が自分の成功にしか向いていません。
おれって何?
って考えて、世の中はどうなっているの?
って考えること、
そんなのは、一般性から外れた余計な考えごとです。

ショーペンハウアーは、ショーペンハウアーにとって、
自分と、世の中がどうなっているのかを考えました。
誰もショーペンハウアーの代わりには、
考えてはくれないから。
そして、hajimeさんは、hajimeさんにとってのそれを考えます。
そんなのは、もとより、少数派で、
もれなく孤独と放浪がついてきますけどね~。

>お互いが好きなことを話し、とんちんかんな会話を繰り返しながら、互いに誤認識、誤解を重ねていく。
わはww、まさにうちのブログです、それ。
>薄っぺらな知識に裏付けられた小気味よい言葉
ww、それって、まさに僕のことです!
でも、そこからだって、思考は始まります。
浅くても、薄っぺらでも、始めやすいところから、
とにかく始めればいい。
僕のことは、僕が考えなければならないのですから。

hajimeさん、ファイトっ。

No title

はじめまして。
青梗菜さんのとこからきました。
きれいな文章ですね。
とても素敵だと思います。
ぐっときます!!
プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる