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スタヴローギンの告白と私


前の記事で、ブログを書くよりも他にやることがあるということを書いた。思想について多く記述したが、思想の相対性と無力を悟り、生を肯定し、エゴを去ることに見いだせる幸福。これに続く思想はひとまずないように思われる。これからは一般的な思想について云々するのではなく、「人間を理解する」ということに焦点を当ててみたい。すなわち、まずは僕自身についての研究を始めてみたい。なにがよいのか、ではなく僕がどう思うのか?そして、僕自身とはなんであるのか?そうしたものを、文学を通じて明らかにできるのではないかと考えた。これは会話の中では難しいことだ。自分自身の話をするというのはコミュニケーションにおいてあまり上等なやりかたではないようにおもう。会話の場合、内容ではなく、言葉のやりとりの質が重要であると考えるからだ。とにかく僕はどう思うのか、それをうまく表現できたらいいと思う。

ドストエフスキー著『悪霊』の中に連載当時、発禁扱いとなり、長く封印されていたといういわくつきの「スタヴローギンの告白」があるのだが、『悪霊』を読んでいてようやくその章へたどりついた。読んだのが1回目ということもあり、理解は当然浅い。しかし、それでもその衝撃を記さないではいられないほど、すさまじいものであった。

また次の機会にでも詳しく、研究と解剖をしてみたいのだが、書く意味も必要もあまり感じられないので、メモ程度に記すことにする。

スタヴローギンの人間性とその行動、加えてマトリョーシャの行動について、スタヴローギンの「感情がいまだかつて私を全的に征服しつくしたことがなく、常に意識が全きままに残っていた」、「ときに分別を失うほどまで、いや、というより、滅茶苦茶なほどにその感情に支配されることはあったが、われを忘れるということは一度もなかった」(これには快感が伴っていた)、「私は善悪の別を知りもしないし、感じてもいない男である、たんにその感覚を失ってしまったばかりでなく、善も悪もない男なのだ、あるのは一つの偏見だけ。私はすべての偏見から自由になりうるのだが、その自由を手に入れた瞬間、私は破滅する」、ある程度この言葉の中にスタヴローギンの人間性というものは帰着できそうだ。そして僕自身がどうであるかと考えると、スタヴローギン的であると言える。スタヴローギンの大きな問題は悪を感じながら、それを犯すことに対する快感を得ていたことだ。常に意識が全きままに残っているからこそ、どんな場合でも善を選択できるということもいえるのだが、スタヴローギンはあえて悪を(優越感に似た感情?)選択している。何も感じていないと言いながら、進んで悪を行うところに胸糞悪さを感じた。単に、これが発禁扱いであったことも読んでみれば誰もが納得せざるを得ない。なんとも後味の悪い章だ。こうしたことが書けるドストエフスキーは素晴らしいと思う。しかしあまりにひどい。人間の恐ろしさすら感じさせる。そしてこれが真に懺悔であるかどうかが疑わしいというのも非常に興味深いところだった。偏見から自由になりうるから、あえて強烈な偏見に挑んだ、生存本能であったのかもしれない。偏見、宗教というものを持つからこそ人間は生きられるに違いない。これらがなければ人生における足取りの方角が定まらないだろう。それと、マトリョーシャ。僕はどうしても彼女の「両手で私の首にしがみつく」、「顎をしゃくる」が気に入らなかった。しがみつくのもはじめはおべっかか、卑屈さから出るものかと思った。そして顎をしゃくるのは無力な正義感か悪に対する痛烈な批判だと考えた。しかし、好意と嫉妬であろうと判断する方が自然であった。そう考えると、このマトリョーシャ自体が低劣な人間くささを持っていてどうしても受け入れることができなかった。だとすると自殺したのはなぜ?という疑問が残るには残った。この低劣な人間くささを自覚して、一抹の高潔さによって自殺したのだろうか?

感情を入れずに、理論と経験則によって単純にものごとを推測すればおおよそ成り行きと結果は導き出すことができる。たしかに、感情をいれず、明晰な頭脳によって推測することは難しいに違いない。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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