「学習能力の向上」と「後始末の習慣」 原発はもう古い


昨日で東日本大震災から4年。お亡くなりになられた方々にご冥福を祈るとともに、被災され未だに仮設住宅での生活を余儀なくされている方々、癒えぬ心の傷を抱えた方々、日常を失い、不自由の生活を強いられている方々の毎日が少しずつ好転していくことを心から願います。

被災者でない私たちは、徐々に強い感情に惑わされず冷静な分析と判断ができるようになってきたかもしれない。この未曾有の大災害は、結果として三重苦という形を日本にもたらした。地震・津波・原発事故。東日本大震災に起因する死者・行方不明者は2万人を超えているそうだ。現代の日本社会においてこれだけの死者・行方不明者が生じる災害や病気の蔓延などの事象が考えられただろうか?考えてみれば、災害にしろ、感染症などの病気、戦争などの人類に対する破壊力をもった事象は文明が発展した現代でも起こりうるのだ。私たちはこの震災で意表を突かれたという面もあったかもしれない。すくなくとも地震、特にそれに伴う津波への危機意識は格段に上がった。だが、私たちが起ってしまった惨事から学ぶのでは遅すぎるのだ。歴史から学び、備え、惨事を防がなければならない。まったく残念であった。歴史は繰り返すのだ。

大きな爪痕を残したのは、津波であった。町を飲み込み、がれきで埋め尽くした。けれど、津波は去り、地震は余震という悪あがきを続けているにすぎないが、原発は違った。町を、日本を、地球をむしばみ続けている。特効薬のない、日本が患った病、それは死に至る病のような恐ろしいもの。かつて、原爆を落とされた敗戦国、日本を見て「戦争は悲惨で、愚かだ」と世界中の人々は感じたことだろう。だが、日本だけは唯一その当事者で、学ぶ教材ではなく、体験だった。ゆえに、客観的に、分析・判断することはできなかった。私にもわからないが、ナチスドイツから受ける印象は私たちと世界とでは異なるに違いない。客観的にナチスドイツと大日本帝国との間には大きな隔たりがあり、区別された認識のもと存在しているはずだ。

私が言いたいのは、日本に原爆が落とされたことで、原爆の持つ意味が国際的に、国家間の抑止力となり、兵器ではなくなったように、原発がまた新たな意味を持つようになることを期待したいということだ。第二次世界大戦後の主要国における世界情勢は冷戦という形をとった。これは私は進歩だと思う。原爆を使用することは非道であるということが世界共通に認められたのだと思う。どうであれ、長崎に原爆が投下されてから今まで、人間に対して原爆が落とされたことはない。人間が殺し合うのは野蛮で、幼稚だ。人類は高貴になり、成長した。世界の未熟さが、戦争を引き起こした。この見方は徐々に世界に浸透していっているに違いない。同様に、福島第一原発事故が―チェルノブイリ原発事故は世界にとっては決定的な出来事ではなかったようだ!―新たな人類史の始まりであってほしい。チェルノブイリと福島はナチスドイツと大日本帝国のように違った意味を持っているのではなかろうか?当事者である私たちには世界に福島第一原発事故がどのように映り、どう受け取られたかというのは想像するしかないのだが、私たちが感じる以上に大きな意味を持ったことだろうと思う。原発もまた、人類の愚かさと未熟さが招いた過ちであり、古く廃れたものとならなくてはならない。北朝鮮やイランが核開発を進めるだろう、その後、多くの国が開発しようとし、続いて原発建設を試みることだろう、仕方のないことだ。人間は学習能力の低い生物であるようだから。

自然は循環させる能力を持つが、人間は後始末が不得手である。後始末の巧みさに自然の偉大さを感じる。人間に知恵がつき、工夫を凝らし、構造が複雑になればなるほど、後始末もそれだけ複雑かつ困難になる。

どうか人間に、「学習能力の向上」と「後始末の習慣」がもたらされることを切に願う。

「原発はもう古い」と言われるような、そんな時代に早くなってほしいものだ。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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