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他者への意識の発展、社会貢献を考える


たとえば今、社会に出て行く青年に最初の忠告を与えようとすれば、まず次ぎのようなものになろう。諸君は、ある事柄、またある特定の人々に対する愛と義務感情から働きなさい。何らかの人類社会の大問題に参加するがよい。たとえば、諸民族の政治的解放、キリスト教の伝道、放置されている下層階級の向上、飲酒の習慣の廃止、またわが田に水を引くようだが、国際間の永久平和の確立、社会改革、選挙法の改良、刑罰および刑務所の改善など、今日このような目的は実にありあまるほどあるのであるが、諸君もそのいずれかに参加するがいい。そうすれば、諸君は、最も手軽に、絶えず外から働きかける刺激が得られ、また最初の間はとくに大切な仕事仲間が得られるであろう。今日は、文明諸国民の間において、このような進歩のいずれかの陣営に積極的に参加しない青年が、男女を問わず、一人でもあってはならないのである。早くから自分自身をこえて、自分だけのために生活しないということが、青年を向上させ、強健にして、事に屈せぬ力を与える唯一の道である。利己主義は常に一つの弱点であり、ただかずかずの弱点を生みだすのみである。   『幸福論』 ヒルティ著より


時代が下るにつれて、当然のことながら万象は細分化されていく。社会における風潮でいえば個人主義が強まっていく。現代に生きている私たちにとって、現在が最終到着点のような気がして―錯覚が起こって―今以上に社会における個人の存在感が強い状態は考えにくいが、確実にそうした時代が後に到来するのであろう。

個人主義が強まることは忌むべきことだとは私は思わない。しかし、個人主義を利己主義と混同して、自分勝手やわがままが許されるのが現代社会の風潮であるという誤解が生まれているように思う。自分の好きなように生きればよい、というのは個人主義ではない。ただ、国家や権力のために、国民や民衆の生活が犠牲になることがない社会というのは個人主義の一つの解釈として正しいと思う。尊重は犠牲を強いるのではなく、あくまで保護するくらいの意味で、優先させるというのではない。

「人々に対する愛と義務感情」、はたしてこれらが、一生のうちで僕自身の心の内に芽生えるかどうか、非常に疑わしい。愛と義務、この二つは近いようで遠い。どちらも伝えられるものではなく、自ら生み出し、育てなければならないものである。

誰でも若いときは、大きなことがやりたいものだ。コツコツと地道な努力は怠り、大きな成果のみ求めるものだ。人類社会の大問題に参加しようと意気込む若者はごまんといるだろう。彼らは何もはじめないうちから挫折する。自分の無力と意気地なさと怠惰を悟る。自分だけのために生活するだけで精一杯なのだ。こうして一人の利己主義者が誕生する。この現実と誘惑、弱さに打ち勝って、使命感も伴って、利己主義から抜け出た者が、始めて役立つ人間になるというわけだ。

僕は社会のために、世界のために、という大きな希望は捨て、野心は消えた。あまりに無力だったし、なにより気力が到底及ばなかった。貧弱で怠惰な僕には―情けないことだが―他者に対して肉体労働によって貢献するという働きが精一杯のところだった。それで心底満足していた。しかし、これでは社会のためにはなんにもなっていないのだった。

とはいうものの、正直なところ社会に役立つといっても、何を始め、何に取り組んだらいいのかわからなかった。深く考えもしなかったのは事実だが。例えば、福島第一原発の汚染水漏れは深刻な問題だと思う。そして現実には多くの人がそれぞれの仕方で問題に向き合い、様々な取り組みをしている。本当のところをいうと、原発の問題に関して僕は見て見ぬふりをしている。予断を許さない危機的状況であることを知りながら、遠い土地での出来事、誰かがなんとかしてくれるだろう、多少の影響はあっても、大きな影響はないだろう、くらいにしか―多くの人たちがきっとこのように感じているに違いない―考えていないのだ。しかもどこかで、「一人の力では何も変わらない」と思ってもいる。けれども、考えれば考えるほど、この「一人の力では何も変わらない」という思考は危険だ。成果や結果を求めすぎてはいけない、とにかく行動を、理念ある小さな取り組みをしなければ。

とりあえず小さなことからまず、始めることとしよう。

では、僕が現実的に取り組むことのできる社会問題はなんであろう?(こうした考えを持てたことは大きな成長である。)

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No title

hajimeさまが例にあげられた
福島第一原発に於いても
その事故から遡ること5年
国会では、吉井衆議院議員が
津波を想定した全電源喪失への
極めて具体的な質問をして下さっているんですよね。
京都大学工学部原子核工学科ご卒業という経歴からか
大変に優れた質問主意書でありました。
けれど当に
原発問題スペシャリストとも謂える専門家の指摘を
”原発の爆発やメルトダウンという深刻事故は想定しない
安全の確保に万全を期す”とした首相答弁を繰り返し
当時の安倍政権は
完全スルーしてみせたんですよね。
そうした経緯がありながら
政治家は(東電幹部も)一切の責任を取らずして
その当事者がまた今政権を握っている・・・。

ただただ
自身の無力さを思い知らされるばかりです。

素人目には詰んでるとしか
思えないような今日の状況下
自身の胸のうちにはジレンマばかりが募ってゆきます。

苦しんでいるのは
あなただけではありません。
皆同じところで躓き、苦悩しながら
今私たちができる精一杯のことをして
前に進んでゆくしかないものでしょうか。


Re: No title

そうだったんですね。
一体なんなんでしょう?傲慢なんでしょうか、馬鹿にしています。あまりにひどい。

人間は歴史から何も学ばないとは思っていましたが、歴史どころか自国の大きな失敗からも何も学ぶことができない!

詰んでいる―メルトダウンしてしまったらもはやどうすることもできないのではないでしょうか―、とにかく私たちには現状がよくわからない、大丈夫なのか?安全なのか?土や海洋への影響は?地球規模の汚染ですから一層悲しくなります…

No title

>一体なんなんでしょう?

ほんとうに・・・。

メルトダウンも然ることながら
その危険性と処理の困難さが世界的問題となっている
使用済み核燃料(ウランやプルトニウムが大量に含まれる高レベル放射性廃棄物)の問題もありますよね。
気の遠くなるような量(新燃料も)が
一触即発の福一敷地内に
残されたままになっているんですよね。
しかも共用プールは満杯で
安全な保管格納プールもないようです。
しかも
福島第1原発1号機の使用済み燃料プール内にある多くの
燃料棒が、東日本大震災前から損傷していたことも明るみに出ています。
因みに、損傷した燃料棒を取り出す技術さえ
未だ確立していないようで
そうした事実関係を東京電力は公表してこなかったんですね。
国への報告は随時してきたようですが
原発に都合の悪い事は、すべて隠蔽されているようで
国民に届かない・・・
原発利権の闇を
思い知らされるようです・・・。



Re: No title


自分の無知を思い知らされます…

震災前に燃料棒の損傷があったなんて驚きました。大量の燃料棒もそういえば、敷地内に残されているんですね。あと、今日ニュースで福島第一原発周辺の映像がありましたが、汚染水タンクの量に愕然としました。あれはどうなるんでしょうか?

常識では、後片付けや始末の仕方があって何かをつくったり始めたりすると思うのですが、なぜこのように対策が確立されていない状態で進展していってしまうのでしょう。考えてみれば、後始末というのはみんなやりたがりませんし、始末せずそのままというのは日常生活でも目にするところです…

原発利権の闇、難しい問題ですね。

No title

>汚染水タンクの量に愕然としました。あれはどうなるんでしょうか?

ほんとうに・・・

ASR(国際専門機関)が算出した
放射能汚染マップを見ても海洋や河川、その汚染度は
現時点で既に極めて深刻。
まして300トン/日ずつ増える汚染水どころか
トレンチ内のその処理すら・・・
言葉もありません。
(IOCでの安倍首相の
あの汚染水アンダーコントロール発言を受けても
個人的には、アウト・オブ・コントロール
”詰み”な印象がどうしても拭えないんです(涙



Re: No title

アンダーコントロール発言はほんとうに衝撃を受けました。国のトップである首相が非常識で非道だとは怒りを超えて恥ずかしさすら覚えました。
私たちはどんどん次世代に負の遺産を残していきますが、これを超えるものはなかなかないかもしれません。本当に取り返しがつかないですね。

sakiさんはこうした問題に関してもしっかりとした知識をお持ちで尊敬します。

No title

hajimeさまは
ほんとうに謙虚で
優しい方ですね。
いつの時も真剣に対象に向き合う
hajimeさまをこそ私は尊敬しています。

知ることはときに
無力さの再認識になりますね・・。

外務省幹部による
”日本の外交力の裏付けとして
核武装の可能性を捨てないためのプルトニウム蓄積”
といったような談話が、かつてありましたが
この、-保有能力は残し
政策としては持たないというスタンス-
原子力ムラの背後に見え隠れしています。

hajimeさまが記されている通りで
事故のリスク(しかも活断層上の原子炉)はもちろん
そもそも
ウランを核分裂させる以上、
そこで必ずや生成されてしまう
放射性物質の無毒化手段
或いは
人が刻む時のスケールを遥かに超える
100万年という期間もの
生命環境からの隔離手段の確立が必須な訳で
それなくば
決して開いてはいけなかったハズの”原子力”の扉
なんですよね。

あまりと謂えばあまりの無責任さ
無自覚、無配慮、無計画・・・。
生まれ来ぬ未来の子供たちを想うにつけ
原子力は徹頭徹尾、破滅的で
救いのない最悪の問題であり
今、私たちが直面している
最も重大な社会問題のひとつに
違いないものでしょう。

sakiさんへ

sakiさんのことばにいつも励まされます。ありがとうございます。

このようにsakiさんとやりとりさせていただいて痛感するのは己の知識の無さです。とても浅い知識でしか話せないことも恥ずかしく思っています。ブログの内容にしても、これははっきりと見て取れます。『エストリルのクリスマスローズ』の知識の深さ、これに比例する味わい深さ、素晴らしいブログをつくっていらっしゃいますね。

僕自身は、sakiさんのおっしゃるように対象にばかり拘泥してしまい、つまらないものになっています。つまらないことがよくないとは考えていませんが、もう少し深みがあればおもしろみも出ると思っています。

日本の原発事情、原子力事情が世界と比較してどうなのかという客観的な見方が国民にとって難しくなっているような気がします。閉鎖的な国家の中にあると気が付かない異常さというのは案外多いのではないでしょうか。

報道や情報の扱いということも最近関心のある事です。

No title

>対象にばかり拘泥してしまい、つまらないものになっています。

そんなことはありません!
断じてありません!

hajimeさまからはいつも刺激を戴いています。
hajimeさまのBLOGは、私にとりましても大切な場所です。
深みがあるからこそのことです。
どうか、自身を持たれて
益々のご活躍を期待しています☆
saki


プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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