絶妙に最大値を超えない逸品 『天冨良 天周』

京都といったら「清水寺」や「金閣寺」、「嵐山」、「太秦」といったところが、修学旅行生も多く訪れる、人気スポットとなっている。中部圏に住んでいる僕自身も小学校の修学旅行は京都であったし、それ以来近いということがもっともその理由であるが、何度か訪れる機会があった。そのとき、清水寺は必ず全員が参拝することとなっており、自分たちで見学先を決めるグループ行動では金閣寺を選択した。知識は―土地柄も大いに影響しているであろうが、他県の人たちに比べて得ることができるのかもしれない。京都へ足を運ぶことは、その知識を実体験へと脳内で書き換えるという行動に等しい。僕はこれまでずっと、京都を訪れるたびに、脳内地図の京都エリアに少しずつ実際の風景を色塗りしてきた。東山から始まり、嵐山、京都駅周辺、貴船鞍馬、伏見と少しずつ鮮明になっていった。

こうした観光地ばかりに気をとられている僕は「京都 祇園」を気にもかけなかった。祇園祭が有名ではあるが、僕は今のところ興味がないので祭りめぐりや、あえて祭りに参加せんがために、旅をしたことはほとんどない。しかし今回、由緒正しき有名寺院をただ周る観光を主眼とした旅はやめ、町歩きとでもいうような旅を敢行してみることにした。そうした、京都という町を感じるのならば、祇園というところはなかなかおもしろそうだ、というのが僕の考えであった。

祇園は八坂神社を起点とするように四条通りの南北、鴨川、白川沿いのあたりのことと思うが、やはり雰囲気は異なっていた。四条通の両側は商店街となっていて、おみやげやや飲食店も並んではいるが、清水寺や嵐山のそれらとは違って、京都の現在の暮らしが息づいている。

DSCF0077-700033_convert_20141231192105.jpg

この商店街の中に『天冨良 天周』という天ぷら屋さんがある。昼食にと足を運んでみるとすでに行列ができていて、店外にまで続いていた。

4962c22f_convert_20141231193725.jpg

入店すると気分が損なわれない程度に香ばしさを含んだ油っぽい空気に全身が満たされた。カウンター席に、テーブル席が一つ。ほぼお店の中央で二人の料理人の手によって次々にアナゴなどの具材が揚げられていく。

27491368_convert_20141231205922.jpg

穴子天丼 1100円を注文。ミックス天丼やかきあげ天丼もあったが、もっとも安価で、メニュー構成からも穴子天丼に期待ができそうだったので迷うことはなかった。三本入りで、僕にとってボリュームは申し分なし。やや多い気さえした。ただ、味覚と食欲が飽和と充足に達しやすいので、間食できるかという不安はあった。

タレは甘めで深いところに醤油の辛みがある。衣によくタレがしみこみ、油のうまみが先ほどの辛みをつつみ、まろやかな甘みとなり、味わいに厚みが出ていた。山椒との相性がよく、味に変化をもたせることもできるので完食することができた。

やや古さを感じないでもない外観、人気店ゆえの待ち時間、店内の油を含む天ぷら屋特有の香り、値段、ボリューム、味のくどさ、これらすべてが絶妙に最大値を超えず―過剰と満足は紙一重―、満足の中で店を後にすることができた。

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる