不調和の調和 美ヶ原高原美術館「Gパン」

七月末に就職が決まった。時期が時期だけにお盆明けが仕事始めということになった。残されたなんの縛りも受けない限りなく自由な日々が、突如残り2週間余りの時間と制限されてしまった。僕の思考の流れとして当然旅に出ようということになった。今一度、夏の高原でこの世界の壮大さと広がり、豊かで心地よい自然を満喫し、温泉につかりながら心身を一体化し、高度な感覚で自分を保持し、統御する実感を得るべく旅に出た。

高原は「美ヶ原」。名称が素晴らしいではないか。こうしたセンス、好きだ。美しいものを美しいとし、古くより温泉で栄えたところには湯の字が含まれる。ヴィーナスラインで岡谷ICからつながっていてアクセスも抜群。だが、高原リゾートではなく、あくまで高原らしい高原を貫いていながらも、霧ヶ峰高原のように純粋に湿地や植物を存する自然のままというのでもない。美ヶ原の中心は「美ヶ原高原美術館」で、エンターテイメントとの融合に成功している。

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こちらの浦山一雄「Gパン」。賛否に分かれる作品だろう。しかし、この広大な野外美術館の作品群の中で特に僕の興味を引いた作品だった。衣服を身につけた銅像というのは、芸術としての彫刻作品としては少数派だろう。無機物である金属で如何に有機物の質感を表現するかに作家は情熱をそそぐのだが、このGパンを題材にしているところをみると、おそらくそのしわにも表れる、生地の質感の表現に芸術性を見出したのだろう。加えて、女体とGパンという柔と堅、の調和はとてもおもしろいし、エロスすら感じる。性的な魅力を超えた、両性具有の美しさにも似た、アウフヘーベン?とでもいおうか、不調和の調和が殊更すごい。きゃしゃでありながら、引き締まった女性的な肉体。残念なのは表情であり、頭部の配置だ。高原に堂々と勇ましくたくましくポージングする女性。銅像を配した絵画とみても素晴らしい。

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Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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