入るより、見て楽しむ稀有な風呂 よろづや『桃山風呂』

湯田中温泉「よろづや」の名物、桃山風呂は露天風呂のみならず、内湯、脱衣所まで魅力的な意匠をもっている。

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まず脱衣所だが、御堂に間違って入ってしまったかと思うほど、まんま伽藍づくりになっている。内湯への入り口の上には大きな一枚板の額が掛けてあって、「酒心」(ブログを通して交流させていただいている漢詩をはじめ、深い文学知識をお持ちの先輩から誤りの指摘を頂戴し、訂正済み。恥をさらさずにすみました。ありがとうございました。)と勢いよい字体が載っている。天井も高く、広い上に、断熱のへの働きかけも乏しいため、冬の寒さはそのまま伝わりひどく底冷えしていた。裸になるのにいささか気が引けるほど、まさにがらんどうとしていた。

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戸を押して、中に入ると真ん中に美しい楕円の湯船があった。縁取る縁石と底石の彩色はプールを思わせる軽やかなものであり、それに対応するように湯質は肌に優しい感じであった。冬の内湯は体感温度がぴったりくるのでしっかり体を温めていざ、奥の原始的なサウナのような温泉蒸し風呂と露天風呂を堪能する。

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一見すると桃山風呂を際立たせる庭園の池だが、これが立派な露天風呂となっていて、黒茶色の湯の花がゆらゆら舞っている源泉を豊富に含む温泉なのだ。これにはとても驚いた。先ほどの内湯、脱衣所にしてもそうだが、湯浴みのことを考えてつくったのではなく、あくまで古めかしい、日本建築を風呂に施そうという思いでつくられたに違いない。明り取りの窓が多かったり、露天風呂には石柱や立派な樹木、石組みがあってとても落ち着いて入るというのではなく、主体が入浴から空間所有の認識へと移ってしまう不思議な風呂だった。僕は最後まで自分でしっくりして落ち着けるスポットを見つけることができなかった。「桃山風呂」、それは入って楽しむより、見て楽しむことのできる稀有な風呂である。

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Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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