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本当にいいものは大してお金はかからない


貴金属細工師の店に入るときには、錠前屋の店に入るときよりも敬意を示したとしたら、あなたがたの生徒はどうなる事だろう。どこへいっても気まぐれにつけられた価格が現実の効用から引き出される価値と矛盾しているのを見るとしたら、そして、ものの値段が高ければ高いほど価値がないとしたら、技術の本当の値打ちとものの正しい価値とについて生徒はどんな判断を下すことになるだろう。   『エミール』より


インターネットや端末機器の発達によって情報伝達が格段に速まり、消費者と提供者ともに情報を多く入手できるようになった。消費者は消費者間で評判や実体験を共有することができ、多店舗での価格などの提供者についても多くの情報を得ることができ、全体の相場を把握したり、比較し選択することができるようになった。提供者はそうした評判を知ることができるようになり、ライバル店の動向、他店舗のデータなどを得ることができるようになった。消費者は賢くなり、提供者は技巧家となった。その結果、ある程度目の肥えた消費者であれば商品などの原価や利益率がわかるようになり、提供者も賢い消費者を欺くためにさまざまに工夫して利益を出そうとしている。そして、あらゆるものの価格が画一的で適正なものになってきて、消費者がどこに価値基準を置いているかによって商品の売り上げが左右されるという現象が起きるようになった。提供者は消費者を見極めて商品を作る必要があり、消費者はそうした狙いを定められた消費者のために作られた商品の裏の存在とでもいうべき、価値基準の置きどころに変化を与えて、付加価値などの余分な利益が乗せられたものではなく、そうした余分を除いたものを購入すれば無駄なく、お金を余分に払うことなくほしいものを手に入れることができる。

僕は常々、思っているのだが、『本当にいいものは大してお金がかからない」。

その最たるものは「文庫本」に違いない。数百円でもしかしたら一生利益を引き出せることになるかもしれないものなのだ。柔らかな上質な下着というのも、思いのほか高価なものではない。高くていい服を買うのならば、例えば綿の上質な下着を買えばよっぽど快適に過ごすことができる。上質なものは長持ちするので、結局安くて粗悪なものよりも安くすむ。車で走るよりも、歩いて旅した方がぜったいに味わい深い。本当にいいものは最低限のお金しかかからない。もしあなたがやっていることが、多くの出費を要するものならば今すぐにやめたほうがいい。もっと手軽でお金をかけずにすむおもしろいことがあるはずだ。そうしたものは刺激と瞬時の楽しみはあるかもしれないが、なんだか味気ないものだ。

そうした賢い人たちが増えれば、もっともっといいものが安くなる。つまらない退屈なものが高くなってそのうち必要とされなくなる。にもかかわらず、今は活字離れに見られるように、そうした有用なものが不要とみなされ価格高騰の危険にさらされている。家屋や工場が壊されると、コンビニか月極駐車場ができる。市民憩いの場になればいいのに、利益にならず、人も利用しないからお金と便利という理由でそうしたつまらないものができる。民度がどんどん低くなっている。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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