金を儲ける二つの方法


さまざまな技術にはそれらの現実の有用性に逆比例して一般の評価が与えられている。この評価はほかならぬそれらの無用性に正比例して決められるが、これは当然のことだ。もっとも有用な技術は最も儲けの少ないものだ。労働者の数は人間の必要に比例しているし、すべての人に必要な労働は必ず貧乏人が支払うことのできる価格しかもたないからだ。ところが、職人ではなく、芸術家と呼ばれ、有閑人や金持ちのためにだけ仕事をしているあの重要な人物たちは、かれらのつくりだすたわいのないものに勝手な価格をつけているし、そういうくだらない作品の値打ちは人々の意見によってのみ決まるので、価格そのものがその値打ちの一部をなすことになり、それが高価な ものであればあるほど評価も高まることになる。金持ちがそういうものを尊重するのは、その効用によるのではなく、貧乏人には手が出ないからなのだ。「民衆がうらやむようなものでなければわたしはほしくない」というわけだ。   『エミール』より


自給自足の生活をするのでなければ、食べ物を得るためのお金を稼ぐ必要があるわけだが、できるならばその方法は人の役に立つものであったり、社会や環境にプラスに働くようなものにしたい。例えばおいしいラーメンを食べて喜んでもらいたいとラーメン屋を始めるとする。なるべくおいしくするために技術を磨き、食材にもこだわる。すると原価が上がる。しかし、人に喜んでもらうためにはできるかぎり安くしなければならないから儲けは少なくならざるを得ない。国民が飢えに苦しまないようにお米をつくるとしたらどうだろうか?現在では減反政策は廃止された?ようだが、需要と供給のバランスが作為的にとれるようになっているので大きく儲けることなど不可能だ。儲けるためには結局、二つの方法しかない。すなわち、金持ち相手に商売をして、ぼったくりのような仕事をするか、逆に労働者をひどく扱い、お客に対して正当に商売をする、あるいはそうした本来儲けの少ない売買の仲介役となって手間賃という形で金をピンハネする仕事かだ。芸術はルソーが言うように金持ちに好まれるような作品を書くしかないのだ。しかも、それは大概がゴッホのように死後に高い金額がつけられるのだが、これだって見る目のない人間が趣味程度に金があるばかりに購入するに過ぎない。作家はどうだろうか。僕は思った。いい作品を書けば、いい言葉を連ねれば、真理に迫っていれば……第一、出版社に本にしてもらわなければどうしようもない。そのためには売れるような内容でなければならないが、僕はそんなもの書きたくない、だから書いたところでどうにもならない。本にさえすることができない。幸運にも時代に恵まれて、こうしてタダで世界に文字を体裁よく発信できるのだから感謝して、地道にこうした活動を続けるよりない。

僕はすべての人に必要な労働に近いといえるかもしれない、人々が生活の基盤をつくるための手伝いをするというような仕事につこうかなと考えている。もちろん賃金は高くはないが、抑圧や競争によって仕事が損なわれるということはなさそうだ。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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