ストレイシープ 学生よ、人生を真剣に生きるべきだ


私はむしろ、学生や、大学によって利益を得たいと考える者たちが、自分の手で基礎工事をしたほうがずっとうまくいくと思う。人間がしなくてはならないあらゆる労働から計画的にのがれることによって、ひたすら待ち望んでいた余暇とひき篭り生活とを確保した学生は、経験という、余暇を実りあるものにしてくれる唯一のものを愚かにもみずから放棄し、かわりにくだらない無益な余暇を手に入れるにすぎない。「けれども」とあるひとは言う。「まさか学生たちに、頭よりも手で働けと言うんじゃないでしょうね?」私だってそこまではっきり言いきるつもりはないが、ある程度はそう考えてもらってもかまわないと思っている。私が言いたいのは、学生諸君は社会がこの金のかかるお遊びの費用を出してくれるからといって、人生をただ遊んだり、学んだりしてすごすのではなく、終始一貫して、人生を真剣に生きるべきだ、ということである。いますぐ生きる実験に取り組む以外に、青年が生きることに習熟するよい方法があるだろうか?それは数学に劣らず知性の鍛錬になるはずだ。   『森の生活』より


僕は普通の大学生が在学4年間をどのようにすごしているかということに非常に興味がある。ほとんどの学生がたいして勉強をしていないことを知っているし、ただ課題をこなし、単位を取れるように準備するだけであって、それは学びの姿でもなければ学問ではさらさらない。かといって読書もしない。僕は在学当時、読書家という人間に出会ったことがなかった…。理系に所属していたから当然なのかも知れないが。

たしかに、研究室にこもっていたり、遅くまで実験に励む学生も多かったが、自己満足以外の意味を僕は見出せなかった。サークルはくだらない無益な活動だと思っていた。結果として僕は人並み以上に余暇を手に入れたわけだった。その時間を読書と旅を含めた見聞、人生について考え、悩むこと、そうしたことに使おうと思った。周囲の若者が人生を謳歌し、活力の浪費を楽しんでいる中、地味にコツコツと現実の陰で努力することが自分を強くたくましくしてくれることを信じた。バイトは時間と体力を切り売りしていくことだと不遜極まりない了見を持っていた。お金はいくらか必要だったがそれ以上に大切なことがあるような気がしていたのだ。

頭でっかちになってはいけない―これはもっとも博学ぶった若者が陥りやすい頑迷である。僕はまだ一度も生きていないような気がしている。親のお金で、誰かが建てた家に住み、誰かがが育てた食物を口にし、誰かが拵えた衣服を着ている。そして僕は誰の役にも立っていなければ、自分をさえ益することができないでいるではないか。それは非常に僕にはこたえている。しかし、多くの芸術家は実生活を犠牲にしながらも、芸術活動に邁進した。僕ははなはだ中途半端だ。ストレイシープ、ストレイシープ……。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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