実生活の中で役だつ読書

本を読む理由は人それぞれであるが、ほとんどの本は目的を持って読まれることが多いように思う。つまり読者がなにかを知ろう、あるいは体験しようという意図のもとその条件を満たしそうな書物を手にする。そうした書物の中にあって小説はある意味で異質なのかもしれない。当然、物語を欲し、大筋は自分の好みに合うものを選ぶに違いないが、楽しみと期待を持って未知なる結末を楽しみとするのである。インターネットにしてもそうだが、僕たちは自分の予想できる、想定できることがらの中でしかほとんど生きることができない。自分で知りたいことや考えていることを探るにとどまり、新たな発想や感覚というものを得ることは困難なのだ。それを可能にできる数少ない方法の中に、小説を読むということがあると僕は考えている。

けれども、僕自身、小説の中でも文学というジャンルにこだわって読書をしている。これにはちゃんとした理由がある。上に書いたように、小説という大きな括りから一歩外にでも内にでも踏み出せば、そこには必ず目的意識というものが働いていることになる。僕の場合、それは「思想や真理」であった。人間とはなんであるか、善く生きること、社会のあるべきすがた、そういうものを求めて文学を読むというわけである。

そうした信念を持って文学作品を選ぶとまず「岩波文庫」が頼もしく感じられるし、恋愛小説や女性作家の手なる作品はやや敬遠しがちになる。今読んでいる「シェリ」コレット著はまさにそうした作品なのであるが、今日こんな箇所に遭遇した。

「ほんとにシックな連中はね、そうだよ、女でも男でも文句なしにエレガントな連中ってのは、目のまえに迫った季節のための装いってものがあって、それが待ちきれないで、じりじりするものなんだ」


「中年に達した男というものは、女から絶交を申しわたされることには耐えられても、身体を値踏みするある種の視線、自分をほかのだれか、自分の知らぬ男、目に見えぬ人物にひきくらべる女の視線だけは絶対に恕せない」


「困っているときは友達を悩まさない、ただ幸福だけを分ちなさい」

往々にして作家さんというのはお洒落であったり、美食家であったり、風流であったりと人として魅力的な人が多いというのは事実だと思う。それゆえに多くの人たちから関心を寄せられ、愛されるのだろうと思う。そうした彼らの言葉は思想以前に、実生活の中で役だつ処世術を示してくれたり、人間心理を暴いて見せ、人間理解を促してくれる。これからの読書ではこうした観点にも関心を広げていきたいと、この箇所に出会ったことで思ったわけだ。事実、精神生活よりも実生活に重きを置く多くの人たちにとっては、こうした情報のほうが重要であるのかも知れないし、こうして公に言葉を発している以上は、人の役にたつことも考えるべきだと思う。こうして少しずつブログの体裁や内容が柔軟性のある、多くの人たちにとって有益なものに成長していくよう努力したい。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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