スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「僕たちはどう生きるか」

世間にはいわば慈悲深い神様の命令で、明らかに一生独身生活を規定されている人間というものがいる。それを彼らは、依怙地からか、それとも自分ではどうにもならない周囲の事情からか、とにかく真正面からこの命令に反逆してみせるのだ。だが、およそ世の中に、妻帯の独身男というものほど哀れなものはない。   『月と六ペンス』より


今から7年ほど前に「結婚できない男」というテレビドラマが放送されていて、普段それらを見ない僕であったが、そのタイトルが実に自分と関係が深いという気がして毎週欠かさず見ていた。阿部寛演じる結婚できない男の暮らしぶりに思わずうなずいてしまうところが多々あったのを今でもおぼえている。たとえばクラシック音楽鑑賞が趣味で指揮の身振りをするシーンがあるのだが、それはほとんど僕自身に当てはまって、わざわざレコードプレイヤーでベートーヴェンの交響曲をかけ、自らのイメージで指揮し、歓喜に至る。これは僕の楽しみの一つである。

結婚できない男というのはモームのいうように性格的に分類できるものだと思う。特徴の一つは上に挙げた例にも表れている「自分だけの世界を持っている」ということである。これは誰にも―家族、友人、たとえ恋人にすら邪魔されたくない確乎たるものだ。僕は一日の大部分を自分だけの世界で過ごしたい。読書をしたり、音楽を聴いたり、散歩をしたり…。けれども弱く哀れな人間であるからずっと一人ぼっちでは寂しくなる。すると話し相手の一人や二人欲しくなる。一人で食事をするのも悪くはないが、気の置けない人との食事はやはり楽しいものだし、人肌が恋しくなる季節だってある。孤独が好きというわけではなく、要するに自分勝手な気分屋なのだ。独身には許されても、妻帯者には許されないのはまさに、この自分勝手な気分屋、僕の概念でいえば放浪気質だ。

しかも厄介なことに、僕は今もこれからも金銭的な余裕を持たないであろう。すると必然と家庭を持ち、家族を養うということは不可能とはいわないまでも難しくなる。結婚は動物的な役割に基づく社会契約であるから、理性的自然世界探求というようなものを人生を通してやっていきたいと考えている人間にそもそもその資格はなかろう。僕に結婚を求めることをばかばかしいことだと誰もが思うに違いない。

ところで、今の社会にとって結婚とはなんであるかということは考えてみる必要のあることだろう。女性の進出、新銀の低下、寿命の伸長など僕たちを取り巻く環境は日々変化していて、しかもその進化は自然に反して文明化、社会化が進んでいる。しかし社会の制度や構造がいくら進歩したところで僕たちの肉体―肉体的な成長というものがあれば、それは今のところ、社会や文明の成長に比べると遅れているといえる―には時間的な制限がある。つまり、人生をマネジメントする上で、結婚できる、できないという分類の前に、結婚するか、しないかということを人生の早期の段階で決断しなければならないというわけだ。それも従来の社会的な進路―教育、職業訓練、就職は結婚を既に前提とし、物質的国力強化のための枠組みであったが―結婚から派生する子どもはその要因でもあった―、バランスが崩れた今、そしてその前提や目的に欠陥と疑問が見いだされるようになったがゆえのことだ。

僕たちに必要なこと―、まさにそれは「僕たちはどう生きるか」ということなのだ。

コメントの投稿

非公開コメント

“カネを稼がない自由”

もしも,Hajimeさんが,
この世の女性はみな,“オトコは金を稼ぐもん”,だと考えるものだろう,
と考えているなら,それは偏見ですよ!

わたしのパートナーはあんまり稼ぐオトコじゃありませんし,誕生日にはケーキくらい買ってくれますが,それもちょっと食わせろ,というような人です。
(ふたつ買えってw)
互いの自由を尊重するのが恋愛なら,“稼がない自由”もとうぜん認めます。子供はあきらめましたがね!!
プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。