夏旅 最後の地 草津温泉


行きに利用した路線を再び使うのはなんとなく退屈を覚える。

というのも、僕は振り返らない性格というか前向きな考えをするクセがあるからである。

加えて、好奇心がおそらく世間一般の人よりも強いのもその原因かもしれない。

この日に向かった『草津温泉』は日本三名泉にも数えられる日本を代表する温泉。

思い出されるのは、幼い時に父が子どもたちを喜ばせようと色のついた入浴剤を入れてくれたことだ。

その入浴剤の中に「旅の宿」というのがあって、パッケージが温泉地の版画絵になっており、「草津温泉」を水に溶かすと鮮やかな黄色だったことを今でも覚えているほど印象がある。

そうした何気ない小さい頃の日常が将来に大きな影響を及ぼすのであろうか、温泉好きになってしまった。

今では、その「旅の宿」シリーズの大部分の温泉地で湯に浸かるという経験を有している。


「小山駅」で『両毛線』という変わった名前の路線に乗り換えた。

街中を走るかと思いきや、途中水田地帯をずっと進んでいったのには少なからず愉しさを感じた。

この旅でいくつか電車からの風景で心に残ったものがあったが、振り返るとこの両毛線から見える水田地帯、奥羽本線から見える蔵王連邦、東海道本線から見える弁天島から鎌倉まで断続的に望める太平洋。

そしてまた意外だったのが、「草津温泉」が「有馬温泉」同様、いやそれ以上に交通の便が不便な山腹に存在することだ。

僕は全国区の温泉街なのだからきっとアクセスがしやすく、「JR草津温泉駅」があると思っていたのだが、そうではなく「長野原草津口」というところまでしか在来線ではいけず、そこからバスで30分ほど走ると「草津温泉」が広がっているのだ。

その過程は水田地帯から次第に山麓、峡谷と展開し、読書をやめて徐々に変わり行く窓外の景色に見入っていた。


バス停車場から坂を下れば草津温泉のシンボル『湯畑』があり、そこは温泉街の中央で寂れてしまう温泉地が多い中活気があり、大小、形態さまざまな旅館、ホテルが立ち並んでいて未だ健在であった。

03.jpg

湯を白濁させる成分の一つ硫黄の匂いが一帯に漂い、温泉の直接的体感の一歩に興奮を抑えることができなかった。

湯畑内に並ぶ7本の木製の樋は高温の草津温泉を冷ます役割をし、その湯は各旅館に送られるようだ。

奥には大きな樋が滝のように豊富な湯を落としており、日本屈指の温泉湧出量を見せつけている。

湯畑と同等に有名なのは『草津の湯もみ』であるが、こちらのほうは見学せずにすましてしまった。

また、立ち寄り湯や共同浴場も多く、異なる源泉、種々の湯船を楽しめることも大きな魅力であるのだが、こちらもまたの機会に譲ってしまった。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる