夏旅 利点と弱点は表裏一体


想像以上に赤湯温泉が気持ちよく、赤湯からみそラーメンの待ち時間があったので予定していた列車には間に合わなかった。

18切符も残すところ1枚となり、当初予定したよりもずいぶん距離を残してしまった。

最終日は温泉地に泊まって疲れを癒して帰ってきたいと考えていたので以前からずっと行きたかった『草津温泉』を最後の旅する地とした。

残りの1枚で『草津温泉』から愛知県まで帰ることとし、明日は区間分の切符を買う。

そのためこの日のうちに行けるところまで行っておいて交通費を節約する必要がある。

夕暮れが迫り、物理的に『草津温泉』まで鈍行で行くのは不可能であったのだ。

新幹線を利用することも考えたが、本来のスタイルを崩さずに半ば諦めの態で電車を乗り進んだ。

東北の繁華街というイメージがある郡山でビジネスホテルをとり、明日に備えた。

途中大雨で足止めをくらい、なんとかたどり着いたといった状態で、時刻は0時にさしかかろうとしていた。

駅前のアーケード街では客引きややくざな数人の若者が目立ち、治安に不安を覚えるような街であった。


翌日、変わらぬ朝を迎え、身支度を済ませる。

と、持参してきた携帯用洗濯洗剤がリュックの中で何らかの圧する力が加わり、袋が破損し、洗面用具が洗剤まみれになってしまっていた。

最初そのことに気づいたときにはそれほど重大な過失とは考えなかったのであるが、さて、水で洗い流してみると、水をはじいて、ぬるぬるが取れず、妙なにおいまでする。

厄介なことになったぞ!と内心で叫ぶ。

手で触ったものすべてがぬるぬるになって収集がつかない事態。

しかし、これはおもしろい教訓である。

あらゆるものには利点、効用というものがあるが、それと同時に弱点、副作用がある。

そして往々、それらが表裏一体で存在しているのだ。

利点がまた弱点であるというわけだ。

洗剤にしても、汚れを落とすことは出来るわけだが、つまり自分自身を洗い流すには難しさがある。

結局僕はその解決策を見出せぬまま、出発しなければならなかった。

だが、事態は深刻であった。

僕は視力が悪いのでコンタクトレンズを常用しているのだが、装着するときに軽く洗浄する。

だから、もののなりゆきからコンタクトレンズにも洗剤がついてしまう。

深慮せずに装着すると、視界がくもって不自由極まりなかった。

おそらく界面活性剤がコンタクトレンズに浸透すべき水分を奪ってしまい、ひたすら表面が乾いた状態であったのだろう。

数時間経つと涙と瞬きの働きによって不自由は解消されたが、人間の快適さにおける視界に頼る割合の大きさを改めて感じさせられた。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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