夏旅 赤湯温泉 かぐわしい弱い硫黄臭 『佐藤錦』と『紅秀峰』

赤湯駅からまっすぐに伸びる県道を進んでいき、観光センターを左に折れるとその突き当たりに『丹波館』がひっそりとたたずんでいた。

hrDnTS.jpg(HPより)

赤湯温泉にあるほとんどの旅館で源泉かけ流しで温泉を堪能できるということだったので、建物の雰囲気と、パンフレットにある謳い文句から風呂に対する自信が窺える宿を選別した結果、この『丹波館』に決定したのである。

改装されて間もないので、内装・外装及び浴室も綺麗で申し分なかった。

フロント脇の待合室から見える中庭の池には鯉が泳ぎ、雑然とはしているが、植え込みにも幾分の風情が感じられ、温泉旅館特有の他の部屋の軒下が見える感じや老舗旅館らしい3階建てのたたずまいをそのまま残していた。

日替わりで露天風呂つきと内湯のみの浴室となっていたが、残念ながらその日は内湯のみの浴室でそこにこじんまりとした湯船が切られていた。

ヒノキで縁取られた湯船で、浴槽、浴室ともに黒色の石タイルで張られていて、色調が落ち着きを引き出した。

湯につかるとほんの少しだけ丸みを感じるような湯質で、かぐわしい弱い硫黄臭がした。

湯口には温泉成分の沈着がみられ、良泉であることを主張しているようであった。

しばし、安息の時―。

香りというものは意識しなくとも鼻腔を刺激し、脳に信号として送られるため強い印象を人間に残す。

よい香りは気分を高揚させ、心を解放する。


ロビーには湯上りの飲料水が準備されていて一服できるようになっていたのは良心的であった。


これもMが教えてくれたことであるが、山形には全国区の知名度を誇る『佐藤錦』と『紅秀峰』という良種のさくらんぼがある。

『佐藤錦』は果肉がやわらかくて口中がほどよい酸味と豊かな甘みで満たされる。

粒が大きく、色艶もすばらしいのでさくらんぼの王様的存在ではなかろうか?

『紅秀峰』は果肉に張りがあって食感につぶれた感じがあまりないので食べ応えがある。

甘みが強く、色味の濃い姿は美しい。

Mは実家から初夏に送られてきた『佐藤錦』と続く『紅秀峰』を僕にも恵んでくれた。

今まで食べたことのないほど大きい上質のもので一口食べて感動してしまった。

『佐藤錦』の収穫が終わった後に『紅秀峰』の収穫が始まるという順番でその旬は思いのほか短い。

そうした感動をぜひ家族にも味わってもらいたいと思った僕は、赤湯温泉の近くにあった「青果店」でさくらんぼがまだ残っているかたずねてみたところまだラスト一つが残っているとのことだったのでそれをクール便で実家に送ることにした。

安いものではないのだが、最後の一つということもあって、店主が値引きしてくれ、クール便代金も負けてくれたので大変助かった。

土地の人にそのように優しくしてもらえることがどれほど旅人にとってありがたいことであろうか。

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Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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