夏旅 現代の象徴、時代の先端『六本木ヒルズ』


僕たちが求めてきたもの―重力に逆らうこと、天高く駆け上がること、夜の闇に輝く世界を築き上げること―。

自然の中に生きながら、自然の一部でありながら、それに逆らおうと日々あくせくする人類よ。

僕たちは満たされたか、達成感に包まれ勝利したか。

六本木ヒルズは現代を象徴し、また現在の到達点を表す言葉に等しい。

僕は技術や時代の最先端をそこに見た。

不気味に、かつ幻想的な光に包まれた丸みの強調された建物群。

ヒルズ族という言葉が生まれ、そこにオフィスを持つ企業は成功という屋号を掲げ、ゆるぎないステータスとなっている。

資本主義社会においてその求めるところを忠実に実現し、その恩恵をいかんなく発揮する様は一見華麗だ。

roppongi_1Aq1A1A1AY.jpg

僕は『六本木ヒルズ』が森ビルであるという認識だけを持っていて、近未来的高層オフィスビルのことなのだろうと考えていたので、その小型都市ともいうべき姿を目にしたときは驚愕した。

複合施設でありながら、統一感があって、『六本木ヒルズ』という固有名詞を冠せられることは当然、かつ適していると思った。

しかし、それぞれが強烈な個性と独立性を保持しているため、経済活動をする拍車の一部を自ら任ずる人間でなければ、そのあまりの規模の違いに足を止め認識を改める必要があろう。

日が落ちようとも動きを止める社会的動物、人間が透明なガラスや特殊な樹脂で覆われた空間内を上下し、巡回していた。

「われわれはどこへ向かうのか」

それを知る人間は少なく、その問いを発する者さえわずかである。

何も分らず、時代の波に飲まれ、流され、そのたどり着く先は身の破滅か、幸福の消費か。

僕は発展を否定するわけでも、経済成長を憂慮するわけでもない。

ただ、意志のない発展、求めぬ成長は決して人も環境も幸福に、豊かにしないと思う。

それでも、複合的に入り組んだ六本木ヒルズ内を巡ってみることは楽しかったし、そこで憩う人たちもまた愉快そうであった。

美術館があったり、庭園があったり、ショッピングテナントやレストランなど文化と生活の質の向上というビジョンをはっきりと感じ取ることができるようになっていた。

ニュースステーションの天気予報のコーナーで映し出されて、気になっていた『毛利庭園』は思いのほかこじんまりとしていて、趣や和風というものとややかけはなれていて、幾分物足りなかった。


遠くビルの隙間からライトアップされた東京タワーがのぞいた。

時代を過去に引きとめようとするかのように淡い光を帯びていた。

すべてのものは古くなり、省みられなくなっていく。

いくら現代が優れていても、また欠点を有していても、未来は勝り、克服していくだろう。



地下から東京メトロに通じる通路を行くと、お茶漬け専門店があったのでそこで夕食をとった。

僕は前にお茶漬け専門店を経営すれば、きっと成功するだろうと考え、その構想を膨らましていったことがあった。

時代が進むにつれて、専門性は問われていくし、それと同時にそうした特定の分野に精通したプロフェッショナルも要求されていく。

それに順ずれば、自ずと周囲からの依頼と信頼、必要を迫られるであろう。

そんなことを考えた時期もあった、しかし僕は実利的、実用的人間ではなかった。

自らを鍛え、育み、つくりあげることに専念しようと、考える、心の人であろうと、そう思ったのだ。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる