『どんな悪いことでもそのなかに含まれている良いことを除外して考えてはいけない。またより悪いこともそれに伴っていることをも忘れてはいけないのだ』

『「お前がみじめな境遇にあることはいかにも事実だ。

しかし考えてみるがよい。

いったいほかの乗組員たちは今どこにいるのか。

ボートに乗ったのはお前たち十一名ではなかったのか。

その十人、今どこにいるのか。

なぜその十人が助かり、お前が死ぬということにはならなかったのか。

なぜお前だけが選ばれたのか。

ここにいるほうがよいのか、それともあそこのほうがよいというのか」

私はそのとき海のほうを指さしていたのだった。

どんな悪いことでもそのなかに含まれている良いことを除外して考えてはいけない。

またより悪いこともそれに伴っていることをも忘れてはいけないのだ』   『ロビンソン・クルーソー』デフォー著より


生きているということは何よりも強くて自明な自己肯定である。

その事実自体が善で正義で奇跡である。

それを思うとき、人はおのずと世界を包含する絶対存在を意識せざるを得ない。

それをあえて神といっても当然よいし、信仰とでも、宗教のはじまりと言ってもよい。

それはあまり重要なことではないからだ。

『どんな悪いことでもそのなかに含まれている良いことを除外して考えてはいけない。

またより悪いこともそれに伴っていることをも忘れてはいけないのだ』

なんと美しく、真をついた言葉であろうか。

ここから感謝も許しも、希望も、そうした明るい光をたくさん引き出せるのだ。

たしかに比較や記憶によって身にふりかかった悪いことや不幸が際立つことがある。

しかし、この言葉は現在を完璧なまでに肯定しきるのことを教える。

今の自分があるのはそうした悪いことを除いては存在し得ない、つまりそれを仮定したり、想定することは自滅行為であることを知らなければならない。

現在を完全に肯定しきる真の強さ、生命の輝きをもてるようになるべきなのだ。

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No title

こんにちは。このデフォーの言葉,いいなあ。「真をついた言葉」というのは,ほんとにそうですね。言葉が出てくるシチュエーション(難破してひとり生き残った)といい,中学生でもそれなりにわかる感じもいいな,と思います。メモしといて,ツライとき思い出そう……

ありがとうございます。

コメントありがとうございます。

「メモしといて、ツライとき思い出そう……」

そうしていただけることが僕のもっとも望んでいることかもしれません。
人は言葉によって救われることがとても多いのではないかと思います。

少年文庫に上げられるような作品はすばらしいものが多いですね。
足元に気づかされるというか、ハッとすることが少なくないです。

これからもよろしくおねがいいたします。

No title

――私たちに絶望や苦痛を与えることというのは、実はたやすいことではない。

という以上に,

わたしたちは人から絶望をあたえられることはない。
絶望とは,自分だけが自分に与えることができる。

かつてそんな風に考えたことも有ります。貴方の結論はいつも“悪くない”ですね

コメントありがとうございます。

コメントありがとうございます。

できるかぎり物事を、楽観的に捉えるように心がけています。
そのため、結論が「悪くない」という方向をとってしまうようです。

「ものは考えよう」というように、絶望に関しても結局のところ自分次第ということができるかもしれません。
ただ、「絶望」には「失望」以上の強い意味を感じるので、人知の及ばない力というものを考えずにはいられない気持ちになったのです。

No title

“悪くない”,ということばは,
貴方の考えかたが,“悪くならない”,から,それはわたしの好悪の判断でかんがえるところの“悪くないな”とおもったのです。
主語の不明瞭な書き方をして申しわけありませんでした

もしも生きることは望むことそのものだ,と考えるならです,
つまり望むことと生きることとがパラレルに存在するなら,です
絶望とはそもそも矛盾した言葉です。
それは “クレタ人の預言者が「クレタ人はみな嘘をつく。」と言った”ようなものですね・・・・。

わたしは望みを絶つ,なのか,それともわたしの望みが絶たれる,なのか,によって,絶望という言葉の意味は変わりますね。
理窟っぽいと思わないでくださいね,苦痛はともかく,“私たちに絶望をあたえる”,という言葉のつかいかた,と,從來の貴方の考えかた,にすこうしだけですが齟齬を感じたので,失礼かとも思いながら,コメントさせていただきました。
“キリスト者の信仰を語る”(信仰をおもちかどうかどうかわかりませんので)には,だいじなことだとおもうからです。

ありがとうございます。

齟齬を指摘していただけたこと、大変うれしく思いました。
ありがとうございます。

>絶望とはそもそも矛盾した言葉です。
そうした考えに至ったことがなかったですが、なるほどと幾分納得がいきました。
そして「死にいたる病は絶望である」という言葉が脳裏によぎりました。
この考えは僕にとってなかなか難しいものでした。
Xuanさまはおそらく、そうした概念を理解し、自分なりの解釈をしていらっしゃるようですので、すばらしいと思うと同時に、また意見をいただけたらたいへんありがたいとも思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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