『誰でもが太陽であり得る』 『藤村記念館』 馬籠宿


『馬籠宿』の定番スポットはおそらくこの『藤村記念館』であろう。

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文豪・島崎藤村を知らぬでもこのいかにも往時からの威厳ただよう冠木門に誘われ入館する観光客も多くいるだろう。

この記念館は藤村の生家、旧本陣跡(本陣とは宿場町の中心的役割を果す、格式ある宿泊所である)に建てられたもので、当時の姿を残しているのは敷地内のちょうど中ほどにある「本陣隠居所」というこじんまりとした二階建て家屋で、そこはかつて藤村が少年の時分に勉強のために使っていた部屋だったという。

そのほかの建物は大火で消失してしまって残っていない。

入館料は500円、「島崎藤村に興味がある」、「彼の作品が好きだ」という人びとにとっては原稿や愛用品の数々はそれぞれに意味をもつだろうが、ある程度の知識を持ち合わせていないとその真に文学者たる人、藤村を偲ばせる所蔵品は面白みに欠けるかもしれない。

その所蔵品の中には蔵書も含まれており、トルストイなどの洋書も多くあった。

そうしたあらゆるものが記念品として展示される文豪というものの優遇にはいつも不思議を思う。

島崎藤村は自然を愛した人として知られ、そのため敷地内には植物が多く、色とりどりの花を咲かせていた。

そんな中、僕がもっとも感銘を受けたのは石碑に刻まれたこの言葉である。

『誰でもが太陽であり得る。

わたし達の急務は、ただただ眼前の太陽を追ひかけることではなくて、自分等の内に高く太陽をかかげることだ』   島崎藤村著『春を待ちつゝ』より



僕自身、大いにその必要性を感じている。

それを見事に簡潔に表わした藤村はやはり偉大なる文豪である。

太陽は無償である。

太陽は自らの力によって燃え続け、それをやめない。

最後に、これもまた藤村の言葉。

『どんな小さな草の芽でも、花咲く時のないものはない。

それと同じように、どんな人でも、自分に持って生まれた、すばらしい宝のない人はいない』

その宝はきっと自らの力で輝くことができる。

誰でも特有の輝きを持った宝である。

ときとして僕たちは自分が自然の一部であることを傲慢にも忘れ去ってしまう。

しかし、まぎれもなく僕たちは自然の一部であり、その法則に則らずに時を過ごすことはできないのだ。





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Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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