生きる時代は色濃く思想に反映される 僕ら世代の思想について


生きる時代は色濃く思想に反映される。

僕のおじいちゃんの親、つまり親の親の親の代はおそらく日本は帝国主義の時代で、日本を強国にすることが日本人の存在意義であり、誰もが日本を強国にするために生きることこそが正しいと信じていたに違いない。

ではその親の子である僕のおじいちゃんの世代はどうかというと、敗戦を知り、そうした帝国主義が無残にも破れ、失敗に終ったのを自らの目で見たり、その現状を感じたりして、そうした軍人として生きること、強国日本をつくることに人生を捧げることは間違っていたのだと考え、世界もまた、世界大戦という大きな戦争を経験し、新たしい世界のあり方を模索し、たどり着いたのが、日本で言えば資本主義であった。

だから、僕たちのおじいちゃん世代は働いて、金銭的な意味での豊かになることが正義であり、生きる意味であった。

日本中の男性が休みなく働き、女性は家を守り、ひたすら日本を物質的豊かさで満たすことが人間として求められる最上のものであるという時代であったに違いない。

そして実際に、敗戦を経験したにも関わらず、驚異的な高度経済成長と呼ばれる発展を遂げ、日本は世界の先進国としての地位を築いた。

僕たちの親の世代はそうしたいわゆる労働、資本主義による発展という名の成功を見た。

しかし、物質的豊かさは得られたものの、それによって犠牲になった人間としての絆のようなもの、また現実問題としては、公害問題などによる人々への悪影響をも見た。

だから、彼らは単に物質的豊かさのみを追求するのではなく、人間としての喜び、あるいは健康、楽しさというものをも求めた。

それゆえに第三次産業と呼ばれる、サービス業が盛んになったのもその頃なのだろう。

資本主義における物質的豊かさを尊重しながらも、それに人間的豊かさを増すような要素を加えることこそが、人間の求めるべき生き方であるという思想を持つに至ったのだろう。

その結果として、バブルという形で再度成功がもたらされた。

彼らはその哲学・思想の正当性を確信したに違いない。

しかし、その子である僕らの世代はそのバブルが崩壊したすがたを見て育った。

生きた時代は、つねに不景気という状態だった。

これはそのまま、資本主義や、物質的豊かさを求めることの誤りを表わし、その失敗であった。

そこから、僕らはそうした資本主義、労働こそが賞賛される第一のものであるというような、実体のない思い込みのような思想に疑問を感じたのだ。

資本主義が世界を、人間を豊かにしえないことを僕らは既に悟っている。

それで平和が訪れないことは火を見るより明らかなのだ。

物質的に豊かさが人間を豊かにすることができぬことを僕らはこの目でみたのだ。

僕たちは心で豊かさを感じる。

だから心を豊かにしなければならない。

ではどうしたら心を豊かにできるのか?

そうした問いを僕ら世代は自分たちに投げかけているに違いない。

労働であることは無論ない。

こういったら僕らの親世代は怒り出すか、あきれるだろう。

しかし、それは現に破綻しているではないか。

国家に仕えることであろうか?

それも違うことは明らかだ。

無責任な国家、役人のふるまいは連日テレビで見ても知れている。

僕らは個人個人でその道を見つけ、お互いに真の意味での支えあい、つながりを持ってそこに幸せと、心の豊かさ平安を見出せるのに違いないのだ。

そのために、芸術や文学、時には信仰―僕はあえて、宗教とはいいたくない、これはあまりにも複雑な問題を含んでいる―は有益であると僕は信じて疑わないし、それら以外に、人間をつなげ、心を豊かにするための指標が僕には見つかっていない。

そういうものから科学や労働、国家を引き出してくるのなら、それらはきっと世界、人間を豊かにしてくれるはずである。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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