日本三景『天橋立』 松林と砂嘴の奇景

「日本三景」と呼ばれる景色がある。

普通に生活している上ではあまり接する機会のない、広く知られているわけでもなく、日ごろから取りざたされるわけでもない概念であるが、それはあまりにもったいないと思うのだ。

僕はこの「日本三景」に強い思い入れがある。

中学生のときだったと思うが、国語の授業で松雄芭蕉が松島を訪れて、ただ

「松島や ああ松島や 松島や」

というただ詠嘆する句を読むことしかできなかったと知り、ものすごくロマンを感じた。

しかも、「日本三景」というものの一つに数えられ、外の二つは『宮島』と『天橋立』であることも知った。

そして夢見たものであった、

「いずれそうした情感をもってそうした絶景にふれてみたい」と。

すでに、『宮島』と『松島』を遍歴の旅で訪れ、それぞれに異なる情感と感動を抱きながらその風景を目に焼き付けていた僕は再び、残る一つ『天橋立』を訪れるべく遍歴の旅に出発した。

京都府というと、十中八九寺社仏閣が古き都を伝える京都市周辺を思い浮べるであろうが、京都府北部、丹後に日本三景『天橋立』がある。

京都へ行くならば、大津方面から行くというのが一般的になっているが、今回の旅では敦賀を通っていってみることにした。

こちらの方が路線も天橋立までのつながりがよく、また今までに未経験の路線だったので興味も引かれたのだ。

敦賀にある『水晶浜』によく海水浴に出かけるので―海釣りをしに行ったこともあった、地形にやや馴染みがあったのでなんとなく心地よかった。

若狭湾沿岸を走る列車から見るおだやかな波を立てる碧海は美しく、遠くには帆船が見えた。

日本海側の列車はダイヤや路線の充実に欠けるのでなかなか思ったような旅程をとることができないのが残念であるのだが、そうした余剰の時間などもまた楽しかったりする。

『綾部』という地名になんとなく心ひかれた。

途中、在来線から丹後鉄道―たしか丹後鉄道だったと思うが、に乗り換え『天橋立』へと向かった。

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ただ行く手に伸びる一本道。

木漏れ日が心地よい空を押し上げんばかりの松林。

その幹と高く伸びた枝々が古くからこの景色を持してきた証であった。

名松と紹介される松が道中現れるのでそれもまた楽しい。

両側には海が近接し、奇景という言葉がぴったりで、松林の中にあって両方向から潮騒が聞こえてくるのは恍惚としかいい得なかった。

幅の狭い砂浜がずっと続き、日差しを受けて輝く。

1時間あまりの散歩コースとして最高であり、レンタサイクルで軽快に展望台へと急いでもいいだろう。

天橋立~1

『天橋立』は両端から異なる景色をみせ、この『斜め一文字』と『飛龍観』と呼ばれる。

『飛龍観』はうねりを描く地続きを前景にした景色である。

個人的には『斜め一文字』を好み、ひとりで股覗きをしたのでやや恥ずかしさを禁じえなかったが、絶景の一言であった。

元伊勢 籠(この)神社という由緒正しき神社や知恵の文殊堂で名高い智恩寺も高尚なる存在感で僕を迎えてくれた。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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