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飽きられない対象物の条件は『なにか少しばかりの苦労や困難を伴うこと』


『「前には」とロッテはいった、「わたくしは小説ほど好きなものはありませんでした。

日曜日には、どこかの片隅に坐りこんで、ミス・ジェニーといったようなひとの幸運や非運に、われを忘れて一喜一憂したものでしたが、それがほんとうにたのしゅうございました。

今でもそれがいやなわけではありませんが、でも本を手にする暇がめったにありませんから、読むならほんとうに自分の好みに合ったものを読みとうございます。

その世界がわたくしの生きているような世界で、その人物がわたくしの遭うような目に遭い、呼んでいて物語が自分の家庭生活とおなじように胸に訴えて惹きつけてくれるような、そういう作家が一番好きでございます。

わたくしどもの生活とてもべつに天国ではありませんが、なんと申してもいいしれない幸福の泉でございますもの」』   『若きウェルテルの悩み』より


人間は飽きやすいとよく言われるが、飽きられない対象物の条件は『なにか少しばかりの苦労や困難を伴うこと』であるらしい。

現代の興隆、凋落は激しく安定するときがない。

あらゆるものが次々に淘汰され川面に浮ぶ泡沫(うたかた)そのものである。

それはファストファッション、ファストフードに代表されるように製品やサービスがインスタントさ、手軽さを提供しているためで、人々はすぐにそうしたものに飽きてしまうからなのだ。

こうした現代の潮流を否定するわけではないけれど、先手を打つという意味でも、些細な困難を必要とする製品やサービスを提供することをやるといいのではなかろうか。

そうすれば息の長いものを生み出せるのではないかと思う。

こうした飽きやすい傾向というのは製品やサービスといった対象のみならず、そうした潮流に関しても働くので、いずれまたインスタントや手軽さに変わる価値観が生み出されるであろう。

景気もまた然りであって、その継続期間を明確に下すことはできないし、また努力次第によってはその短縮も可能なのかもしれないが、時期が来ればやがて景気も回復しようし、その逆に低迷も起こるだろう。

また小説が楽しく、魅力に溢れ、文学が根強く現代まで残っているのは、少なからず苦労と困難を要求するからであろう。

小説を読むには、自分の環境や生活、思想断片を意識していなければ一切が過ぎ行くパノラマと変るところがなくなってしまう。

そういう意味でなかなか骨の折れる作業であると僕は考えている。

そうして真剣に取り組む小説というのは甘美な逸楽を約束してくれるはずである。

ロッテはアンナ・カレーニナほど精緻に魅力的に描かれていないように、現段階では思われたのだが、それでも怜悧で独特な魅力を感じさせる。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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