真の名所は季節、時候を選ばない


紅葉の季節となった。

Aは雑誌で特集されていた金沢に興味を引かれたようで、そこに掲載されていた早朝無料解放されている『兼六園』の紅葉を見につれてってーと軽い感じで要求した。

金沢は以前に一度行ったことがあったため、おおよその土地勘もあり、手際よく観光を楽しめるだろうと思い、金沢への旅を計画した。

難だったのが、早朝に『兼六園』に到着するため、家を真夜中に出発し、夜通し車を走らせ、その日1日休むことなく、観光しなければならなかったことであった。

東海北陸道をひたすら北上し、途中で休みながらの運転であったが、高山あたりの一車線対面通行は高速とは思えぬほど高地にあって、細い道路になっており、視界も闇に包まれていたので不安な気持を拭うことができなかった。

ひんやりとした深夜の空気は神秘的であったし、眠気を集中力によって凌駕したときの奇妙な頭の冴えを感じながらの運転はしばしの恍惚感すら生み出してくれた。

早朝独特の湿気を含んだ空気が垂れ込める園内は木々や地面にも麗しさを残し、幽玄を具体とした姿であった。

s-IMG_0309.jpg

『兼六園』を象徴する風景はやはり、琴柱灯篭を前景とした霊山を思わせる多彩な樹木に囲まれた凛とした霞ヶ池を全景に配するものだろう。

また、こうした回遊式庭園はどこに視点を持ってくるか、それを探る楽しみも持ち合わせている。

物理的な目線の高さのみならず、焦点をどこにあわせるか、時間的な陰翳による効果も所により万別で季節によって表情を変え、梅林や桜などが主役に取って代わることもあろう。

真の名所は季節や天候、時を選ばず、その瞬間に傑出した断片を常に有する。

それらを見抜き発見する感受性、感性を持てるようになりたいものだ。

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No title

兼六園、良い場所ですよね。私も去年の夏に家族旅行で金沢の方まで行きました。車の免許を取立てだったのにも拘わらず、修行だとかなんとか言われてずっと父の代わりに運転をしていたものですから、かなり疲れたのを覚えています。
前回旅行に行った際にはいけなかったのですが、金沢には有名な金沢21世紀美術館がありますね。私は美術館によく行くのですが、あの美術館は美術品を見るために行くと言うよりかは、美術館そのものが作品であるような感覚がします(予想にしかすぎませんが)。
バトゥーの芸術論には芸術は自然の模倣であるということが書かれています。兼六園は人間が人工的に自然を造ったもの。21世紀美術館は美のエッセンスを抽象化して抽出したものではないでしょうか。どうも金沢の人間にはそうした鋭い感覚があるのかもしれません。

Re: No title

コメントありがとうございます。

兼六園、すばらしいです。
一言で表わせば、「兼六園のような男になりたい」です。
免許取立てであの兼六園界隈の道を走られたわけですね、なかなか大変ですよね。
21世紀美術館は兼六園と隣接していることもあって、立地もすばらしく、人気も高いようですね。
美術館でありながら、市民との一体感のようなものを感じ、空間作りにもこだわっているなと感じました。
そのとおりだと思います、建物がすばらしい作品といえると思います。
美術館によくいかれるということですこし僕もテンションが上がってしまいました。
僕も美術館が好きでよくいくのです。
バトゥー、初めて聞きました。さすが、美術にも精通しておられるのですね。
美術談義もできたら幸いに思います。
金沢は確かに、小京都と呼ばれながら現代的な要素も持っていますね。
土地やその根強かった武家社会などの歴史的影響も多分に関係しているでしょうね。
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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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