『ホテル 鷺乃湯』 諏訪湖の旅


『上諏訪』は諏訪湖の東岸に位置し、諏訪湖一体でもっとも活気あるところかもしれない。

湖に面して、温泉宿が並び、美術館や広場、公園があり、街中には酒蔵も点在している。

日陰になっているところは雪が凍り、諏訪地方の気温の低さを物語っていた。

盆地になっているため、雲が発達しにくく、雪はあまり降らなさそうだが、寒い空気がたまる形状になっているのだろう。

ジョギングコースが整備され、その脇にオブジェや銅像、野外ステージ、遊覧船乗り場が散歩者を楽しませる。

冬の風物詩となっているワカサギ釣りのビニールハウスのような屋形船が沖に2、3隻浮んでいる。

この日は穏やかな天候だったがときどき吹く風は冷たかった。

Aはいつも泊まる宿や旅程を知らずに連れられるがまま旅先へとやってきて観光を楽しんでいる。

「どこに泊まるの?」や「どこに行くの?」とは聞かない。

無邪気に興味あることを口にするだけだ。

「あのホテルの名前は鷲の湯?」目に入ったすこし立派な玄関をした建物について素朴な質問をした。

「鷺乃湯だね。

鷲は鳥の上に就職の就で鷺は路(みち)になってるんだよ」

勘のいいAは今晩泊まる『ホテル鷺乃湯』にすでに興味を引かれていた。

平成に入って増築と改装をしたため、玄関は老舗宿とは思えないほど広いロビーを備える観光旅館といった構えだった。

旅館に到着するまでどこに泊まるか知らないAはそこが泊まる宿とわかると喜びが顔に浮んでいた。

この瞬間がたまらない。

Aはサプライズを楽しみ、僕もそのワクワクが喜びに変る瞬間をみてうれしい。

駐車場に車を停めるとお迎えをしてくれ、フロントではとても丁寧な接客と説明、お茶と茶菓子を出してくれ、一時の憩いも提供していただいた。

一服つくと、折りよく着物を着た受付の方が部屋まで案内を申し出てくれた。

中庭は枯山水で、夏季には孔雀が羽を広げるという。

生憎、ケガのため中庭で孔雀を見ることができず、またその枯山水も雪に埋もれてしまっていた。

加えて、庭を見ながらの足湯も調整中で利用することができなかったのは残念だった。

1階から2階への階段は吹き抜けになっていて、その中央にこじんまりとしたミニチュアな庭園が造られており、そこに竹が植えられ、高級旅館を思わせるつくりであった。

部屋からの眺めはすばらしく、中庭と色彩的対照をなす湖面、その向こうにそびえる山並みに日が落ちて、空を虹色に染めた。

そのうちに湖に浮ぶ小さな島には電飾による光源がうまれ、向こう岸の町の明かりと幻想的に調和していた。

床の間に生けられた菜の花と名前はわからない白い花とがとても気に入った。

20010743_1483_1.jpg(観光ガイドより)

コメントの投稿

非公開コメント

No title

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。

Re: No title

ご覧いただきありがとうございます。
より価値ある記事を書けるよう努力したいと思います。
今後もよろしくお願いいたします。
プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる