『慣れ』の特性を活かす


『モスクワへ移ったごくはじめのころだけは、リョーヴィンも田舎住まいの者にはふしぎでならない出費や、あちこちから要求される非生産的な、しかし避けることのできない出費に、驚いたものであった。

ところが今ではもう、彼もそれに慣れっこになっていた。

この場合、彼の心に起こったことは、世間で酒飲みについてよくいう、一杯めは棒杭のようにのどにつかえるが、二杯めは鷹のように突っ走り、三杯めからは小鳥のように軽やかに通っていく、というあの心理状態と同じものであった』     『アンナ・カレーニナ』より


僕たちのもつ悪徳の一つは『慣れ』である。

これには本当に気をつけなければいけない。

なぜなら人間は生来、微妙な変化に鈍く、また順応性に長けているからだ。

もちろんこの特性を上手く利用すれば、幸福な状態というものを作りあげていくことも容易であるし、望みどおりに日常を過ごしていくこともできるはずだ。

焦りは禁物で、微細でも着実に一段一段上がるようにしなければならない、気長に、欲張らないこと。

加えて、すでに育ちや環境によってはすでに慣れっこになってしまっていて、しかも気づいていない不自然な習慣が意識してみると見つかるものだ。

ここではお金の支出についてを取り上げているが、毎日の細かな習慣に至るまでそうした酒飲みのごとき心理状態が作用している。

当然のサービスや保険、教育、学校、雇用・・・

その時代ごとに常識という人生プランが存在するのだが、それは本当に限定的であることに気がつかなければならない。

大学は当たり前に行くものだ、公務員は安定していて、病気をしたら医者にかかる・・・

僕はこれらに疑問を感じてきたし、やはり時が流れても変らずその気持を持ち続け、正しいと思える事例を数多く見聞した。

家族、結婚、仕事・・・これらに関して先入観にとらわれず、真に自分を幸福にする道筋を見つけ、歩むことは難しく、みんな一種の思考停止に陥り、幸福と安心を取り違え、間違った脆い安心という座に着いているにもかかわらず、幸福だと思いこんでいる。

幸福とは安心のことではない。

安心とは不安や心配のないことでそれは幸福と同等ではなく、人間として当然あるべき姿であり、それをもっと発展させた先に幸福が存する。

やってくる毎日に不安も心配もないのだ。

ただ真の道を歩まんがために判断し、行動すること。

それが微妙に歩む方向を正し、気がつかぬうちに正しき道を歩くことに違和感なく、当然なこととして受け入れることができるようになるだろう。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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