自然と自由を尊重し、世界、神々に感謝

『フランスの詩人たちに学識があるせいなのだ。

ところが、ドイツの馬鹿どもときたら、学識を得ようとすれば、才能をなくしちまう、などと思っている。

どんな才能だって、学識によって養われねばならないし、学識によってはじめて自分の力倆を自在に発揮できるようになるのだというのに。

まあ、しかし、馬鹿は馬鹿のするにまかせておこう。

馬鹿につける薬はないさ。

それに、本当の才能ある人はちゃんと自分の道を見つけるものなのだ』


『通になろうとしてはいけないよ、ひとつ、きみに絵をみせてあげよう。

これは現存するドイツ最高の画家の一人が描いたものだが、芸術の法則の第一条にたいして大へんな誤まちを犯していることが一目でわかるはずだ。

わかるだろう、個々の部分はなかなかよくできているが、全体がしっくりしまい。

それは、この絵を描いた大家が十分な才能を持たないからではなくて、才能を導くべき彼の精神が、その他の擬古趣味の画家たちの頭と似たりよったりで、すっかり曇っちまっているからなので、その結果、彼は完ぺきな巨匠たちのことは無視して、不完全な先輩たちの方へ逆戻りしてしまい、後者の方を範としている始末なのだ。

ラファエロとその同時代人は、偏狭な作風をうちやぶって、自然と自由とにむかって突きすすんだのだ。

いまの芸術家連は神に感謝して、謙虚にこの長所を利用し、そのすぐれた道をさらに歩みつづけていくべきだのに、かれらはそれをしないで、再びもとの偏狭さに逆戻りしているのさ。

芸術には、すべてを通じて、血統というものがある。

巨匠をみれば、つねに、その巨匠が先人の長所を利用していて、そのことが彼を偉大にしているのだ、ということがわかる。

ラファエロのような人たちが土台からすぐ生いそだつのじゃない。

ちゃんと、古代および、かれら以前につくられた最上のものの上に立脚しているのだ。

その時代の長所を利用しなかったら、彼らが大したものになるわけがない』     『ゲーテとの対話』より


言い訳のための自己の正当化ほど見苦しいものはない。

今の場合の「学識を得ようとすれば、才能をなくしちまう」というのも、ただ学識を得ようという努力をしたくないからその理由付けにそんな理由を持ち出しているのだ。

たいてい、努力によって獲得したものがなにかの妨げ、ましてや才能の消失という結果を生むと考えられるであろうか?

世の中にはおそらく、道理というものがあって、こういう努力や鍛錬がすべて負に帰するというような道理は存在しないと思う。

あらゆることに報いがあり、がんばることには良い報酬が約束されている。

それがこの世の道理だろう。

まさに『知は力なり』であって、学識、知識のないところに堅固な理論や作品、技術が成り立つだろうか?

それらを持った上で、塩梅によって風合いなどを調整する技術も生れてくるのだ。

それにしても、このゲーテの毅然とした態度は意外であったが、やはり偉大であるということはある程度まで厳しくなければならない。

シビアな線引き、判断の指標なくして、力強い主張や正義の行動もありえないだろう。

自分の道を自分で見つけることができる―

これこそが才能であり、偉大ということもできるかもしれない。


僕はオタクや物知り、~通と呼ばれる人たちを軽蔑するわけでも、批判するわけでもないが、彼らに対してそれほどの知識や根気、情熱があるのであれば、もっと社会的に貢献できるような働きかけをしたらいいのにと思ってしまう。

健全な人であれば、きっと社会に対してなにかしたい、役立ちたいという気持を自然に持つだろうが、彼らは持たない。

だから、すこし特異な存在として僕たちに認識されているのだろう。

それに、果たして通になる必要がどこにあるのだろうか?

所詮自己満足であり、僕は途中で嫌気がさしてしまいそうなんだが・・・

よくないものをよくないものと認識することに意味はないと僕は断定する。

ベートーヴェンの全楽曲を知ることが大した意味になろうか?

それならば、生涯との関連から、特に傑作、意味深いものを認識し、理解することに情熱を注ぐべきではないか?

本当にたくさんの勘違いと、誤りが散見される。

音楽の楽曲のカバーは大いに結構だが、奇抜にしてしまったり、原型をとどめていなかったり、オリジナルの否定になってしまっているようなものを聞くと本当にがっかりする。

ほとんどのカバー曲が成功を収めていないのもまた事実だ。

自然と自由を尊重し、世界、神々に感謝しながら、僕たちの先人たちの教えを謙虚に受け止め、それに現代という時代のエッセンスを加えて、より発展したものとするのが現代人の役割だろう。

僕は少なからず、それを体験できているであろうか?

ゲーテなどの巨匠の言葉を引き取り、それに現代、僕の経験による感性、オリジナリティを込めていくその試作段階としてこのブログを位置づけているつもりであるが。

それによって至高のものが汚されることがあってはならないので、慎重に進めていきたいと思う。

すべての傑作の始まりは模倣にあり、傑作を題材としている。



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Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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