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困難なくして喜びなし 『ゲーテとの対話』

『劇場便りを見ると、そこのオペラハウスや王立劇場でも、こちらと同じようなまずい作品をやっていることがわかった。

「どうすればこんなことがなくなるのかね。

もちろん、イギリスやフランスやスペインのいい脚本の力を借りて、毎晩よい作品を上演できるようなすばらしいレパートリーを組めれば、なんの苦労もない。

そうはいっても、一体国民は、いつもよい作品ばかり見たいなどと要求しているのだろうかね?

アイスキュロスやソポクレスやエウリピデスが書いていた時代は、もちろん今日とはまるっきりちがっていた。

時代精神というものがちゃんとあって、いつも真に最も偉大で、もっともよい作品だけを欲していた。

しかし、今日のような悪い時代には、一体どこに最良のものに対する要求などがあるだろうか?

そういうものをとりあげるようなところがどこにあるだろうか?

その上、人々は新奇なものを求めている!

ベルリンでもパリでも、観客というのは同じものだ。

パリでは、数えきれぬほどの新作が、毎週書き下ろされて、舞台にかけられている。

駄作を五つか六つ辛抱して見た上でないと、一つの傑作にはありつけそうにもないというわけだ』     『ゲーテとの対話』より


現在の音楽、映画、書籍などのあらゆる文化的活動においてもこのこととまったく同じことが言えるのではないか。

音楽では、どれだけ真剣に音楽に取り組んでいる人がいるか、彼らがどれほど打ち込んでいるかというのはわからないが、音楽を通してなにか伝えよう、すばらしき音楽をつくろうという人たちの作品が多くある中で、AKBや嵐などのアイドルグループが歌う、提供されたインスタントな楽曲がもっとも売れ、支持されていることを僕は情けなく思うし、あきれてしまう。

音楽はもっと高尚で、奥が深く、困難なものでなければならないし、そういったものである。

もちろん、生活を彩るためのものでもあっていい。

一日の始まりの活性剤、勉強をするときなどの雰囲気作りの一端を担うものであってもいいだろう。

しかし、そうしたものが主流となってしまい、芸術としての音楽、高尚な精神作用としての音楽の役割が忘れられてしまっているのではなかろうか?

映画にしてもそうだ。

GEOやTSUTAYAなどで映画のDVDが100円くらいの廉価で貸し出ししているのを見ると違和感と不満をおぼえる。

本当に真剣に、すばらしいものを作りあげようとして作った映画を100円で見るというのは僕は納得がいかない。

映画までが使い捨てになり、次から次へと大量生産の如く映画が作られている。

じっくりと時間と労力、ときには大金をつぎ込んで壮大で偉大な映画をつくりあげる。

そんな映画だったら僕は見たいなぁと思う。

でも、ほとんどの映画は映像や迫力ばかりが凝っていて、中身や構成はありきたりなものや、現実味のないSF、楽しむための仮想であって、哲学や主張を欠いている。

しかし、それを人びとは求めている!

気軽に、心を爽快にさせるもの、心地よくさせてくれるものを求めている!

挫折なくして、飛躍なし。困難なくして喜びなし。

音楽、映画、書物、それらを楽しむためには少なからず労力と能力を要するものでなくてはならないと思う。

新奇なものとは、ゲーテは本当に的確な表現をするから偉大だ。

ラノベや度を過ぎた少女漫画、暴力的な映画などは果して何を生み出すというのか?

世界には娯楽というものがなくてはならない。

すべてが発展、進歩のために存在するわけではなく、あるものは正しい。

現に、ラノベやその他もろもろの市場を形成するものは仕事を生み、人々を楽しませている。

だが、それを許していくのであれば、すべてなんでもあり、なんでもよい、ということになってしまう。

傑作を見たときの感動は本当にすばらしいもので、人生を変わるほどの衝撃である。

その傑作がそういった新奇なもののなかに存在するのかは疑問であるし、僕は存在しないのではないかと思っている。

少なからず、ゲーテの言うように、その存在する確立はきわめて低いものになるであろう。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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