人生の近道 『ゲーテとの対話』

『否定的であることは、無に通ずる。

私が悪いものを悪いといったところで、いったい何が得られるだろう?

だが良いものを悪いといったら、ことは大きくなる。

ほんとうに他人の心を動かそうと思うなら、決して非難したりしてはいけない。

間違ったことなど気にかけず、どこまでも良いことだけを行うようにすればいい。

大事なのは、破壊することでなくて、人間が純粋な喜びを覚えるようなものを建設することだから』


『不幸なのは、国家の場合では、誰一人として生活をたのしもうとする者もなく、みんながよってたかって支配したがることであり、芸術の場合では、みんながみんな創造されたものを享受しようとせず、自分の手でまた創造しようとすることである。

また、だれも自分のめざす進路と同じ文学作品を範として、文学開眼をしようとは考えずに、みんながみんな、またぞろ同じものをつくろうとする。

さらに、全体の中へ入っていく厳しさもなければ、全体のためになにか役に立とうという心構えもない。

ただどうすれば自分を著名にできるか、どうすれば世間をあっといわせることに大成功するか、ということだけをねらっている。

こういう間違った努力が、いたるところに見られる。

最近の名演奏家ときたら、聴衆が純粋な音楽をたのしめるような曲目には目もくれないで、むしろ自分の腕のよさを感嘆させることができるような曲目を選んで演奏しているが、みんながそれを見ならっている。

いたるところで、一人一人が自分をりっぱに見せようとしている。

どこへいっても、全体のため、仕事のために自分自身のことなど気にならないような誠実な努力家は見あたらない。

おまけに、人間というものは、自分でもそれと気づかぬうちに、つたない創作に陥ちこんでしまっているものだ。

子供のときからもう詩をつくりはじめ、それをつづけていって、青年になると、自分もいっぱしのものが書けそうだと思う。

やっと大人になって、世の中にあるすぐれた作品が洞察できるようになると、間違った、あまりにも不十分だった努力のおかげで失ってしまった長い年月にあらためて驚くことになる。

それどころか、完成されたものも知らず、自分の不十分さに気づくこともなく、死ぬまで生半可なものをつくっている人が大勢いるのだ。

もし、一人ひとりが、いかに世界が優秀な作品で満ちあふれているかということ、また、このような作品に比肩できるものをつくるには、何が必要かということを、手おくれにならぬうちに自覚するようになれば、今日の文学青年百人の中に、それと同じような巨匠の域に達するために、じっくり仕事をつづけるだけの忍耐と才能と勇気を心中に感ずることのできる者は、ほとんど一人もいないことはたしかだ。

若い画家たちにしても、ラファエロのような巨匠が実際にどんなものを描いたかを、ずっと早いうちに、知ったり理解したりしていたなら、その後はぜったいに絵筆など手にとらなくなるものがきっと多かろう』     『ゲーテとの対話』より


ネガティブであることが、人生をもっとも成功から遠ざけ、不幸を招くということはよく言われることだ。

否定からは何も生まれない。すなわちその先にあるのは無である。

太っている人に太っていると言ったところで、それからなにか得るものがあるだろうか?

それと同じである。

また、正しきことを否定することはもっとも卑しむべきことであり、否定はそれほど責任と無駄なエネルギーを必要とする。

また、他人を非難すること、これはほとんどの場合関係をこじらせ、悪化させる。

非難こそ不和のきっかけである。注意しなければならない。

人を動かすためには、山本五十六も

『やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ』

と言っているように、献身的に、親身に相手のためになることを積極的に行って、好意的に正しく褒めることが大切だろう。

闘争本能から、人間は時に破壊や攻撃を好んでしまうことがある。

しかし、僕たちはつねに建設的でなければならない。

気持ちのいいもの、楽しいもの、喜ばしいものをみんなで築いていくことが僕たちのやるべきことではなかろうか。


とても長い引用となってしまったが、この箇所はまさに、現在の自分に直接言われているようで、痛切に心に響いた。

いつの時代も青年は存在し、どの道においても青二才でただ意気込みや活力があるばかりだ。

僕たちは自らのことを過大評価しがちであるし、先人たちを時代遅れで知能的には劣っている存在とみなしがちである。(若さこそ最も優れた武器であるとでもいわんばかりに)

自分がどうであるか?ではなく世界にどのように働きかけるか?を常に考えてみるとよい。

仕事、芸術、この世界のあらゆるものは人を楽しませ、喜ばせるために存在する。

僕たちはその担い手、黒子であるにすぎない。

すでに、世の中にはすばらしきもの、すぐれたものに満ち溢れている。

現代に生きる僕たちはそれらを再認識し、正しく評価し、後世へ伝えていきながら、日々発展する文化を取り入れたものもつくりだしていく。

そうしたすばらしき世界を知らぬもの、知るつもりもないものはその舞台から降りるべきだ。

自己満足の仕事にはそれなりの価値しかない。

広い視野を持ち、全体を、人を喜ばせることを考えていかなければならない。

考えてみると、僕は芸術や文学に関してはその優れた作品の数々をそれなりに知っているつもりだ。

そして、小説を書こうという気を何度もそがれた。

果てしなく崇高な作品ばかりで到底僕の力には及ばないと思うからだ。

その結果として、ブログという形態で言葉を並べるという作業に行き着いたのだ。

これから発展させ、文学をしてみたいと思う。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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