一人旅 『下呂温泉』で温泉気分

僕を認識への探究や真理の追究へと開眼させたのは夏目漱石であったが、人間の弱さ、心の不思議をを知りえたのは太宰治によるところが大きかった。

そして、風景や情景、ふるさと「津軽」を親しみを込めた温かさで描く作品『津軽』は東北地方に対するなんの知識も観念も持たない僕にとってセンセーションであったし、文学の新しい一片をみせてくれた。

僕はどうしても、津軽へ行きたくなった。それも寒さ厳しい、どんよりした雲の凍てつく津軽へ。

その土地で起居し、住んでみなければ、その土地の臭いも慣習もわかりっこない。

だけれども、風を感じ、空や山なりなどを眺め、脳裏に刻み込もうとすればすこしはそれらを知れるというものだ。

3月に入り、青春18切符が解禁になったので、梅の花咲く季節ではあったが、東北はまだ雪混じりの景色に違いないと自然の厳しさ、そこに生きる人々の生活を胸に描いて出発した。

青森まではかなりの道程であるから、例によってうまく路線を選びながら訪れたい地を転々としながらの旅となった。

まずはじめに高山へむかうこととした。

18切符と大した運賃の差がなかったため、通常の切符を購入し列車に乗った。

その途中には三名泉のひとつ『下呂温泉』があり、温泉好きの僕は当然ながら下車し、まだ始まったばかりの旅の疲れを落としに湯につかった。

下呂駅から大きな川、益田川の方へ向かうと、下呂大橋というおおきな橋が架けられており、まわりを温泉街と山に囲まれ、橋下は速い大きな流れが山の端まで続いて見える。

老舗の「水明館」や山腹には「くさかべアルメリア」などが温泉街らしくしている。

支流にそってお土産屋さんやホテルが並び、温泉街風情を楽しむには申し分ない。

わき道のようになっている坂を上った中途に大衆浴場『白鷺の湯』がある。

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やや異様な場違いな感もある白塗りの洋館であるだけに、観光客の目を引くだろう。

入浴料も安かったので、迷わずここに決めた。

二階建てのつくりになっていて、脱衣所から階下へ湯に入りに行くという変ったつくりだが、これが大正時代などのスタイルだったのだろうか?「竹瓦温泉」もそのようなつくりになっていた。

湯船は四角くてヒノキ作りのもので、窓の接するように配置され、川の方面を向いて入浴でき、山々や温泉街を見渡せる内湯ながらも開放感があった。

下呂温泉の特徴である、美肌効果があるというつるつるした泉質で、かつ僕の好きなやや熱めの湯だったので、あの日は寒かったが芯からぽかぽかになることができた。

湯冷めしないように気をつけながら、しっかりと湯につかり、休憩所―ちょっとした休憩所もまたそれぞれのよさがあり、ここではわら細工の籐椅子?(僕は家具、調度品の知識が乏しいのでうまく形容も、名称さえ示すことができない)がおかれており、少しばかり読書をし、汗と髪が乾くのを待った。

すっかり温泉気分に陥ってしまった僕は、小路や山の上にある温泉寺(だいたい温泉地にはお寺や神社があるものだ)までも足を運んで、歴史や由来などを学んだ。

何も考えずに駅へと戻ってきたが、危うい、次のを逃すと夜まで電車がないのだった!

ローカル線を乗るときは時刻表もしっかり確認しとかなければならない。

電車の円滑な乗り継ぎこそすばらしき旅の条件なのだから。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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