老人の忠告 『ゲーテとの対話』より

誰でも自分自身が一番よく知っていると思いこんでいる。

それで多くの人が失敗をし、多くの人が長いこと迷わねばならない。

しかし、今はもう迷う時代ではないよ、われわれ老人の時代はそれだったんだが、それにしても、君たちのような若い人たちがまたしても同じ道をたどろうということになると、いったいわれわれが求めたり迷ったりしたことのすべては何の役に立ったことになるのだろう。

それではぜんぜん進歩がない!

われわれ老人のあやまちは許してもらえる。

われわれの歩んだ道はまだ拓かれてなかったのだから。

しかし、後から生まれてくる人は、それだけ要求されるところも多いのだから、またしても迷ったり探したりすべきではない。

老人の忠告を役立てて、まっしぐらによい道を進んでいくべきだ。

いつかは目標に通じる歩みを一歩々々と運んでいくのでは足りない。

その一歩々々が目標なのだし、一歩そのものが価値あるものでなければならないよ。     『ゲーテとの対話』エッカーマン著より

こうした含蓄に富んだ言葉というのはその真意を読み取るのがとてもむずかしく、かえってその意を損なった理解や誤解を生んでしまう。

この言葉にしても一見すると、老人からみた独りよがりな意見のような気もするが、さすがゲーテ、深い洞察と確固たる根拠のもとやや限定的に話しているのだ。

あくまでこの言葉はその道の大家によるその道を担う若者へのメッセージなのだ。

決して、年長者の優位や年の功という単純なことを表したものではない。

知識や考察に年齢はそれほど影響を受けないとさえ僕は思っている。

もちろん年長者は経験を蓄えているが、年少者は現代の申し子とも言うべき、環境に完全に適応しているため、先見の明を持っていないとも限らない。

若くして才能を持っている人もいれば、ベテランで技能の乏しいものもいるだろう。

つまり、ゲーテだからこそいえる言葉であって、老人すべてに当てはまる言ではない。

僕たち若者はこうした老人を見分け、見つける努力をしなければならない。

そして、彼らの言葉を真摯に受け止め、わが道を歩んでいかなければならない。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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