一人旅 別府の象徴 竹瓦温泉

夕陽を追いかけるようにフェリーは沖へ向かった。

僕は甲板に設置されたベンチに座り、日が沈みゆくのをからだで感じようと思った。

3度も船で陸を離れると家を離れたなんてかすんで頭に浮かばない。

行き先が決まっているから不安はないのだが、真っ暗な海を進んでいくのはなんとなく落ち着かない心持がした。

海上に飛び込んだら、しばらくは発見されないだろう。そんなことまで思った。

夜の海で船上にいると、時間の感覚や距離の感覚を失う。

自分がどの方向へ向かって、どのくらいの時間立っているのか、あとどのくらいで陸へつくのが見当がつかない。

そんな気持ちでいるから陸の灯かりが見えたときには小さい子どもが幼稚園などでお母さんに迎えに来てもらえたときのように安心した。

いざ陸に足をつけたときにはまだ見ぬ地を踏みしめた誇らしい気持ちと長い旅路の終着点についたような達成感を味わった。

別府駅近くまで夜道を疲労を感じながら歩き、ユースホステルでその日は泊まることにしていたので、荷物を置き、ごはんを食べるところを探しがてら周辺を散策することにした。

近くに商店街があったから行ってみると、かなり寂れていて、ほとんどのお店は閉店しているか時間が遅いため店仕舞いしていた。

道後温泉と同じく、小路を入っていくとあやしげなネオンライトの看板が掲げられたこじんまりしたお店が並んでいて、怪しげな、しかし怖くはない雰囲気をかもしだしていた。

少し道が広くなったところに古風な建造物が現れる。『竹瓦温泉』だ。

koneta13-5db9c.jpg

入浴料金が100円と格安だが、それもそのはず。

浴場は真ん中に湯船が掘ってあって、そのそのまわりにからだを洗ったりするスペースがあるにはあるが、洗面器以外は洗面用具はなかった。

地べたにそのまま座り、持参したタオルでからだを拭き、湯船の湯をすくってからだを流す。

源泉なのだろう、熱くてそのままではとても入れなかったから、隅に用意してあるホースから流れ出る冷水を湯船へ導いて、その近くで湯に浸かった。

からだの芯から温まり、泉質も濃厚でからだにしみこむ感じがした。

壁や床はさびやら、温泉の固まったのやらで歴史を感じずにはいられないほどであったが、それもまた趣というものだろう。

浴場につながる2階にが脱衣場になっていて、上から湯船がそのまま覗けるつくりになっている。

湯上りにコンビニでガリガリ君を買って食べたら、当たりがでたけど、どうしようもないから、捨ててしまった。もったいない。

少しからだが冷えたし、食事をとるのを忘れたからちょうど出くわした屋台のラーメンを食べた。

とんこつ高菜ラーメン。

この高菜が最高においしかった。

店の名前も場所も忘れてしまったが、あの味は忘れられない。

これをきっかけに僕は高菜ラーメンがすきになり、九州に行ったときには必ず食べたい。

ユースホステルで同部屋だったHさんと少し話をした。

彼も大学生で中国人の彼女がいるということだった。

僕が別府を旅行で訪れていることを話すと明日温泉を案内してあげようと言ってくれたのでよろしくおねがいをした。

彼は大学が別府にあるみたいだ。

こうした一期一会も旅の醍醐味のひとつだ。


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

無料メールマガジン
メルマガ購読・解除
 
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる