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人生は列車とジェットコースター

『「人間の幸不幸っていろいろでしょう。

おもしろおかしくもない、さえない自分の人生を引きずっている人もいますわ。

誰もが似たり寄ったりで、仕合せとは無縁な存在です。

一方で、この人たちとはちがった人がいる。たとえば、あなたがそう。

なにしろあなたは百万人のなかの選ばれた一人ですもの。

そういう人には、おもしろくて晴れ晴れとした、意義深い人生が用意されているんです」

「この私が?(肩をすくめて)ふむ・・・。

あなたは、やれ有名だろう、仕合せだろう、何かこう晴れ晴れとした、おもしろい生活だろうとおっしゃる。

ところが私にとっては、そういう耳にこそばゆい言葉は、申し訳ないけれど、私が決して口にすることのないマーマレードと同じでしてね。

あなたはとてもお若くって、まだ汚れというものをご存じないんですよ」

「あなたの人生って、本当にすばらしいわ!」

「私の人生にいいところなんてあるかなあ?(時計をながめる)これからひと仕事しなければならないんです。

失礼、時間がなくって・・・。(声を立てて笑う)いやはや、あなたのせいで、私は、俗に言う、寝た子を起された格好です。

それで私まであおられて、腹の虫がおさまらなくなってきましたよ。

よろしい、少しお話しましょう。私のすばらしい、晴れ晴れとした生活を話題に・・・。

さて、何からはじめましょうか?(しばらく考えてから)強迫観念というのがあるでしょう。昼も夜もしじゅう一つこと、たとえば月のことを考えている人が襲われるあれです。

私にもそういう月がある。私の場合、昼も夜も私を苦しめるのは、<書かなければ、書かなければ・・・>と頭にこびりついて離れない考えです」』     チェーホフ著『かもめ』より

誰しもこんなことを考えたことがあるはずだ。

オリンピック選手は選ばれた人たちで、さぞかしすばらしい生活、人生なのだろうとか、大企業の成功者は一般市民の自分とは全くちがう、特別な才能に恵まれた幸せな人で、なんの苦もない生活をしているのだろうとか。

でも実際はそうではない。人にはそれぞれに違った悩みや問題を抱えているし、それぞれの苦労がある。

お金がある、金メダルを取ったなどそれは彼らの人生のほんの一部なのだ。

僕たち一般人は物事を短絡的にとらえ、勝手に自分の生活の不満な点を拡大しつつ、オリンピック選手や成功者の生活の成功という一端のみを拡大し、羨望する。

これはジェットコースターと列車の関係に似ている。

一般人はゆるやかな道のりの列車に乗っている人たちで、いわゆる有名人、選ばれた人たちというのはジェットコースターに乗っている人たちだ。

列車に乗っている人たちから見れば、自分の横をものすごいスピードで走っていけば、「あんなに速くていいなあ、さぞ気持ちいいだろうな」と思うだろうが、それはそのために上まで昇らなければならなかったこと、いつまでもそのスピードを保つのは難しいことなどを考慮していない。

ジェットコースターに乗っている人たちは思う、「ゆっくりと走ってみたい、景色を楽しめる列車はなんていいのだろう」と。

どちらがいいというわけではなく、こればかりは性分、運命というものだろう。

列車に乗る人たちはやはり列車のほうが心地いいだろうし、ジェットコースターに乗っている人たちもまたそちらのほうを好むのだろう。

自分と併走する乗り物を気にするよりも、自分の行く先を気にしていたほうがいいだろう。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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