津軽の旅 (太宰治を訪ねて)

昨日の深夜、BSプレミアムで太宰治の特集がやっていた。

これは太宰の故郷「津軽」を彼の代表作『津軽』と共に彼の足取りをたどったり、太宰にとっての故郷を探るといった内容だった。

ぼくは『津軽』を読んだことがあるので、ところどころ覚えている箇所もあったが、大体は忘れてしまっていた。

それでも、それを読んだ当時はまだ踏んだことのない津軽の地を想像してみたものだ。

そうして、いってみたくなり、津軽への旅をした。

2010年3月、青春18切符が利用できる期間を狙っての電車旅であった。

この半年前、2009年夏、ぼくは初めて青春18切符での各地を転々とする旅をした。

その魅力に取り付かれ、このときの旅もまた実現したわけだ。

だから津軽へたどり着くまでの道のりにさまざまな名所や土地を訪ねたのだが、それはまた機会があれば書きたい。

今回この津軽の旅を書こうと思ったのもあの記憶を忘れたくはなかったし、今一度当時のことを思い出してみたくなったからだ。

ぼくはどうしても日本海のどんよりしたうねりの強い海上の雲が見たかったから、冬に行きたかった。

3月はもう春なのだが、北陸、東北地方はまだ残雪もあり、空気や風景は冬の気配を残していた。

期待通りに日本海に浮かぶ雲は見るものの心を鬱屈させるような感じがした。

電車の路線はできる限り日本海岸沿いに走っているのにした。

車窓から眺める岸壁に打ち付ける波や灰色の雲はぼくの脳に色濃く残っている。

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JR五能線で五所川原駅までいき、そこから津軽鉄道に乗って金木へ向かった。

この津軽鉄道、冬のある期間はストーブ列車と呼ばれる、ストーブが付いた車両が走るのでそれに乗りたかったのだけど、もう暖かくなったからなのか乗ることができなかったのは残念だった。

確かオレンジ色の1両の列車で殺風景なところをバスガイドならぬ列車ガイドの人が太宰治の故郷について話したりしてくれた。

また車内には太宰の小説がおかれたりしていた。

途中に林間を通ったのが印象に残っている。

金木駅からしばらく歩いていると思ったよりもひっそりとした町の中心から外れたようなところに突如として馬鹿でかい屋根のそりが見事な豪邸を通り越した立派な建物が一角を占領しているといったかんじだった。
 
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中に入ってみると、昔「斜陽館」という名で旅館として使われていたのだが、その趣を残すような座敷になっていてその一段下になっている土間のようなところを見学者は進みながら見学する。

さすがの広い敷地の建物でみてまわるといろいろな資料だけでなく、建物だけでも十分楽しめる。

途中太宰の使った書斎があり、そこで記念撮影をしてもらえたのを覚えている。

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パンフレットの表紙にある階段はすばらしかった。美しい木目、風合い、滑らかなでつややかな質感。

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そうして遠いところまできたんだと空気の冷たさを感じながら盛岡へ向かった。

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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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