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最寄り駅じゃないこの駅にどうしてあなたがいるの

あなたは気づいてないみたい、私はすぐにわかったわ、見覚えのあるブリーフケース、私が贈ったものだもの

付き合い始めて最初にお願いしたこと、それは元カノからのプレゼント使うのやめて

あなたは無頓着だった、今も昔も変わらないのね

ぎゅうぎゅう詰めの満員電車

あなたは涼しい顔して外を眺めてる

ひょっとしたらばったり会うかもねって冗談を言ったのは私の方

それなのにかける言葉が見つからない

思い描いてた未来で違った時間を過ごしてる

懐かしいけど、胸が痛むのはどうして

「幸せにならなかったら許さないよ」

その答え、「どう、今幸せそうでしょ?」

でも私はうつむいた

もうあなたの人生に私はいないし私の人生にあなたはいない

重なりかけた二つの線が元の通りに走っていくのよ

下りたあなたを思わず目が追っていた

別れを切り出すガマン比べ

下りたのは私

いつもの乗り換え

列車が待ってる
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つまずきの石

一年ぶりに会う彼女。以前にもましてキレイになっていた。こんなキレイな女だったかなと見つめる時間が自ずと長くなる。

体のラインは変わらない。出会った頃はお互いに若かった。本当にこんな素敵な女性が自分を愛してくれていたのかな。あの頃の自分に嫉妬した。

私が贈ったものを身につけ、つかってくれた愛しい彼女。今ではすべて見覚えがなく、上質なものになっている。

レイヤーをうまく取り入れるファッションだけは変わっていなかった。

「風邪ひいたみたい、喉が痛くて」 すらりと伸びた指先を喉にあてがう。つややかな髪の束が流れ落ちた。

彼女を待たせ、精いっぱいの、やさしさをもって「これ使ったらよくなる」とヨウ素系スプレーを買ってきた。

「ほんとに効くの?」

「やらないよりかましだよ」

・・・・・・

「いいかも」 「ありがとう」

ベンチに座る。以前もしたことのある会話。そんなこと気にもしなかったのに、「前にもしたよ」と二人でにがく笑った。

これが最後とばかりに見つめあった。

「そこまで送るよ」

二人並んで歩いてく。

「手、握ってよ」

私が苦しめられた、この彼女の小悪魔加減。彼女の方が見られない。

「楽しかった、また誘ってよ」

「俺も楽しかったよ、今日はありがとう」

きっと私は誘わない、正確に言えば誘えないだろう。私はそのように彼女によって導かれるはずだから。

握った手が離れる、彼女は中指をわざと私の指先にひっかけた。いつでも思わせぶりなんだ。

「元気でね」

五歩進んで振り返ると、それから彼女も振り返った。「本当に最後だな」。彼女はほほえんでいた。私はもう一度振り返ってみたけれど、彼女が振り返ることはなかった。

(あんな風に歩いてたんだ)

凛とした、私につまずいているような女じゃない。これでよかった。自分にそう言い聞かせるのが精いっぱいだった。

ああ、またしても孤独に戻ってしまった。


孤独は一層深まった。

世界に働きかけると醜い人間にぶち当たる。こんなことを言えば差別主義者だと言って批判される。みな人間は美しいと。あなたの心の方が汚れているのだと。

善意は目に見えない。目に見えないからこそ善でありうる。善とはなんであるか。思いやりとでもしておこう。思いやりはもろく、不運によってさえ簡単に台無しになってしまう。

その不運につけこんで、金品を要求し、すごんでくる輩がいた。小さなわが子を持つオヤジである。子どもにその姿を見せることができるのだろうか。醜い大人よ。心も貧しい貧乏人がガキをつくって金に困って金に汚くなっていく。金もないのに立派な家を建てて、不寛容になって腹いせに悪態をつく。とにかくみんながイライラしている。金もない、心の豊かさもない。あるのは欲だけ。

孤独は気持ちから生れる。孤独は気分である。

私にもかつてはそれなりに友人がいた。数多くの遊びに行けるような、笑いあえるような友人が。

彼らが不寛容になってというよりも、私が不寛容になったのだろう。相手から足が遠のいたことも数多くあったが、私から遠ざかったように思える場合が多かった。友人関係には昔から悩んでいた。好かれるような人間ではなかったからだ。そして今は、すっかり失望してしまっている。自分にも友人たちにも。

私は友人を愛しているがゆえに、彼らにもっと尊敬できるような人間であってほしいと思うのだが、その多くがうぬぼれが強くて、なによりいけてないのだ。モテるやつもいなければ、めちゃくちゃ賢いやつもいない。努力家もいなければ、退廃的なやつもいない。しかし、友人だから私は何も言わずに黙っている。ダサいと思っても、無礼だと思っても、ナンセンスだと思っても黙っている。

本当は私はもっと彼らにイケてるやつになってもらいたいのだが。私がイケてないから周りもイケてないのだ。

腹蔵しているから孤独になっていくのだろう。友人がイケてないというのはけっこうきつい。でもダサいからやめたほうがいいとはいえない。

すっかり私は無情になって、他人には無関心、感情を抱かず機械的に対処している。ずいぶん気が楽だ。相手が怒ろうが不満に思っていようがへでもない。心は乾いた。たくさん傷つき、悲しみの後である。

景色は色を失って。本当に色は失われるものだ。世界は灰をまとい、段ボールでつくられたようにペラペラで温かみも感じられない。目は網膜に像を映すが像でしかない。無。機械のような私。

霧笛楼 シーガーディアンⅡ 洗練された男女

私は高校時代、進学校に通っていたので多くの学友が県外の大学へと進学していった。だから、全国各地に友人がおり、旅行がてら会いに行くという楽しみを何度か体験した。T氏もやはり県外に進学した。東京の名門大学である。T氏が言うところによれば、私とT氏は落ちこぼれだという。たしかに私たちは受験生でありながら、二人でよくメイド喫茶やライブハウスへ行ったりして、勉強についていくのが精いっぱいであったかもしれないが、なにか鬱積したものを感じていただけにすぎない。メイド喫茶や地下アイドルのライブに誘うのはきまってT氏で、私たちはもともとそれほど親しくはなかったが、私が暇そうにしていたから、たまたまT氏が誘ったのが始まりだった。その頃から彼には浪費癖というか依存症ぎみなところがあって、ときにその傾向が爆発的な能力を発揮し、彼はエリートとしてすでに立派な肩書を得ているが、一方でキャバクラ狂いになっている。そんな彼が、仲良くしているキャバクラのお姉ちゃんと横浜で遊ぶから会いに来ないかといってきた。T氏に会うのは久々であったし、キャバクラの姉ちゃんとプライベートで遊ぶなんてことは想像さえしたことがなかったので、私は仕事の休みを取って横浜に遊びに行った。

遠目からでも、T氏が一回り贅肉のせいで大きくなり、存在感が増していた。その隣にピッタリ寄り添い、クラッチバックだけを小脇に挟み、白のワンピースを着た女性、それは間違いなくキャバクラの姉ちゃんという女性だった。T氏は久しぶりだな、と肩をたたきいた、その後ろで彼女は私に軽く会釈した。外はとてつもなく暑かったので、私たちはすぐにタクシーを捕まえて、元町の方へお願いした。

「横浜は来たことあるか?」

「ああ、何度か。」

「デートで?」

「デートでも来たし、東京へ行く途中に寄ったこともあるし、独りで横浜観光へも来たよ。友人たちとも来たことがあるな」

「東京ほど、窮屈じゃないし、名古屋ほど味気なくないから、心地いいね。横浜の近郊は実に便利だ」

姉ちゃんは全くしゃべらない。歳は私たちよりも若く、見るからに大学生だ。T氏は客以上、友達未満というところだろうか。

「ユミちゃん、ケーキでも食いに行こうよ」とT氏が前の助手席の姉ちゃんに声をかける。「いいわね、行きましょう」

「あなたはHさんだったかしら、私が何か質問したり、説明を求めると、Hに聞くべきだなそれは、あいつは歩く辞書みたいなもんで正確無比な答えが返ってくるからな。って言うのよ。この人、女はどちらでもいいことをはっきりさせようとするから面倒だなんていうのよ、ひどいでしょ」と薄紅色のリップの口元は不満げだ。

「Tは文系を馬鹿にしてるし、読書なんて不健康でいかんとまじめに考えているからね、仕方ない。でも、こんなかわいい女の子と横浜で遊べるんだから、悪くないね」、私は皮肉を込めた。

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T氏は額の汗を拭いながら、「畜生、あっついな」と言い、手を大きく振った。

「なあ、日陰歩けよ」

「暑いのはいいんだ、暑さに行動を乱されるのがいけない。日陰ばっか歩いてるのも滑稽だろう」。その前にはユミが頑なに壁伝いに日差しを避けながら歩いていた。

「すごい汗だぜ?」

「店はもうすぐそこなんだ、構わん」

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以前、私はT氏から霧笛楼の『横浜煉瓦』という菓子をお土産でもらったことがあったから、店の存在は知っていたが―T氏は毎度こちらに戻ってくると私に崎陽軒のシューマイ弁当だとか気の利いたお土産を買ってきてくれる―、なるほど風格のあるパティスリーだ。古き良き時代を残しつつ、洒脱な空間は非常に心地よかった。何よりユミが一番その空間に似合っていて、この屋敷の主人のように私に映ったほどだった。

「ユミちゃんは、イチゴのタルト?今日はモンブランかい?ああ、この何とかっていう、難しい名前のやつな。オッケイ。Hは決まったか?」

「ああ、俺はこのなんかグラスに入ったやつにするよ、よくわからん名前がついてる」「あと、ホットコーヒー」

三人のケーキとグラスやらカップやらが置かれると統一感はまるでなく、人間性という観点でみればそれぞれ似たところがないのを物語っているようだった。



「俺たち、ニューグランドに泊まるけど、Hにはモントレ横浜を取っておいたぞ。ニューグランドには及ばないにしてもいいホテルだ。ユミがニューグランドなら泊まってあげるっていうから仕方なくだ、悪いな。」、なにかの臭いが鼻についたというように顔をしかめるとT氏はこういった。

「いや、ニューグランドは前に泊まったことがあるから、かえってそのほうがよかったよ。歴史のあるホテルみたいじゃないか。大いに結構だ。ありがとう」

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その晩、私たちは三人でニューグランドのバー、シーガーディアンⅡで酒を飲みながら語り合った。非常に愉快な夜だった。とてもユミが大学生には見えなかった。大人びていて、作法というか所作をわきまえていたのである。T氏はT氏で実に気持のよいふるまいを終始乱さなかった。洗練された男女とは彼らのことをいうのであろう、私は最後の一杯を彼らに捧げるべく飲み干した。

小説『自由への道』 6


朝から夏の陽が強く照り付けていた。母は朝から仕事へ出かけ、家に彼一人であった。その日は夕方からのアルバイトだったので前日のうちに母には出勤時間を伝えておいた。すると炊飯器はタイマーがセットされ五時に炊き上がりになっていた。近頃買い換えられた真新しいガスコンロの上には、すでにカレーができあがっており、食卓には置手紙があった。
 「おはよう。母は今日夜の七時まで帰らないのでカレーをつくってあります。温めて食べな。炊飯器のタイマーは仕事の都合で変えてください。冷蔵庫にサラダもつくってあります。」
 こうしたことが当たり前だと思うようになったら人間おしまいである。母の筆跡を彼はときどきぼんやりながめることもあった。
 彼は自然、起きるのが遅かったので洗濯の最後の一杯分を自分の寝間着を入れてまわした。二十分ほどで脱水まで終わるので、物干し竿にしわのできないように干していった。最低限の手伝い、家事はやろうと心掛けていた。夏場は洗濯物がよく乾く。母が明け方に干した洗濯物はすでにからりとしていたので、ついでに取り込んで手馴れた手つきでたたんだ。バイトに行く前に残りを片付ける。これは彼の日課だった。それから食事を済ませ、戸締りをしてバイトへ行った。

彼はゴルフ練習場の受付業務及び打席管理の仕事を主に任されていた。随分古株でわからぬことはなかったし、多少の権利を認められていた。
 「いやー、松本君。行ってきたよ、セミナー。」と石田課長が早々に話しかけてくる。年齢は四十過ぎたところで、柔和な表情をした人のよい男性である。近年髪の勢いの衰えを感じはじめているようだ。
 「どうでした?やっぱりよかったですか?」と以前にもその類のセミナーについて話を聞かされていた松本は無難な返事を持ち合わせていた。忘れずに興味をそそられたという感情を込めた。
 「なにより刺激になるよ。最近行ってなかったから、定期的に行ってモチベーションを保たないといけないね、うん。」口を結んで、思案顔になった。

プロフィール

hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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