「音泉リビング パラゴン」 名機と名作に囲まれて


せっかくいい宿に泊まったのなら、宿だって満喫したい。温泉、部屋、そして食事。これらを楽しむのは当然なのだが、私は館内の散策も欠かせない。ロビーや渡り廊下、書庫やギャラリー、談話室などそれぞれの宿に館主自慢のスペースがきっとある。孫九郎では間違いなくこの「音泉リビング パラゴン」だろう。

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奥にみえるスピーカーが名称の由来となっているJBL社のParagonというスピーカーで名機として知られるが、残念ながら現在では製造されていない。私は少しオーディオに興味があるので、まさかこんなところで歴史的名機に出会えるとは予想もしていなかったが、非常に感動した。その音質はというと、のびやかでやわらかな心地いい音色を醸し出し、このときはJAZZが流れていたが、とても心地いい空間を演出していた。見た目も貴重な工芸品のようなたたずまいでvery good!アンプに目をやるとMcIntosh社の真空管アンプでこれがまたオシャレでカッコよくてたまらない。この音を聞きにまた宿泊したいくらいである。

手前に見えるラウンジチェアは名作中の名作「イームズラウンジチェア」で版権が切れているため価格帯はピンキリのようだが座ってみて上質な感じがしたのでいいものだろう!これは全く若輩の私の主観なので参考にならないが、私は心地よくこの椅子に包まれて時を過ごした。置いてあるソファやテーブルは飛騨高山の家具「柏木工」で製造されたものが多く、どれも洗練されたデザインとすぐれた質感を備えたものばかりで、大いに魅了され、翌日高山市内にある柏木工ショールームに足を運んだ。いつかこんな空間を自宅につくりたいものである。
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気分と賢く付き合う


同時に二つのことができるほど私は器用でないし、ただ日々の生活を送るだけでも疲弊してしまう精神状態なのでブログからは徐々に遠ざかっていくことになるだろうと思っていた。作品のことが気になり、正直ブログの方は段々と関心が薄くなっていった。以前は毎日アクセス数を確認して、一喜一憂していたものだが、今はどうでもよくなってしまった。昨日”きっとまったく更新してないからアクセスが激減してるんだろうな”と思って確認してみると、減ったことは減っていたが、思ったよりも元気に?やっていた。ブログは頻繁に更新して、続けることがアクセス数を増やすポイントらしいが、それは間違いないこととして、そうやって続けてきたものであればたとえその頻度が落ちたとしても無に帰するほど残酷な構造ではないらしい。今後も細々と続けていこうと改めて決意した次第である。

読書、ブログ、文学賞への挑戦、この歩みは偶然であろうか、必然であろうか。私は常に作品としての執筆を意識していたことは確かなことで、そこに向かって歩みを運んできた結果とすれば当然であろう。ただ実感として思うのは、人が気分に左右されながら日々を過しているということで、読書がしたい気分から、ブログを書きたい気分になって、応募作を作ってみようという気分に変わっていったということで、私がこうしたいと思ったからそうなったのではなく、私がそうなっていたから、こうしたいと思ったのである。漠然と自分がなりたい状態というものを描きながら日々の気分に従って生きることで―気分に抗うことは可能だが、気分は常に前提として私に用意されている―その状態に近づくようだ。ゆえに、文学賞を取りたいだとか、その後作家として活躍したいという気持ちがあるわけでなく、今は気分的に文学賞に作品を応募してみたいのであってそれを終えた時、私がどういった気分であるのかは不明であるし、なにをやろうという気になっているかは予想できない。ここ数か月でそんなスタイルが自分に合っているのではないかと思うようになってきている、気分に合わせた目標設定をし、それに向かって努力を続け、それを果たした後、そのときの気分に合わせてまた目標を立てるという繰り返しである。少なくとも、こうしたテクニックによって思い悩むという事態に落ち込まずに済んでいるようにも思う。資格受験、作品賞への応募、次なる目標は?あと一か月目標に向かって日々過ごすのみである。
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おいしいコーヒーを求めて スターバックスコーヒー「パイクプレイスロースト」  


10年くらい前の話になる。高校の校門約300mほどのところにスターバックスコーヒーがあった。田舎から都会へ出てきた私には初めてのスタバの店舗で入る勇気もなければ、ゆっくりとお店でコーヒーを飲むという習慣もなかった。ただ漠然と憧れと興味はあった。蓋つきのデザインを施された紙コップのテイクアウトやマグカップでコーヒーを味わいながら、ガラスケース内の充実したスイーツやフードを楽しむことができる。おしゃれに感じたのはそのネーミングで、サイズ表記が、S・M・Lではなく、ショート・トール・グランデという聞きなれないものだった。これも実はシアトル的おしゃれであって、我々日本人があえてお手洗いをトイレと表記する感覚のようである。

高校2年の夏休みも近いある日、同じクラスのIが透明なスターバックスの容器にはいった白っぽい抹茶色のシェイクのようなものを食べながら、朝、登校してきた。私は彼のところへ行ってそれはいったい何だと聞くと、抹茶フラペチーノというものだった。要は刻んだ氷を混ぜ込んだシェイクのようなもの。私は甘いものも、冷たいものもあまり好きではないが、スターバックスを飲んでみたいという気持ちがあったので、Iに今度スターバックスに行ってみたいんだが、と言うとせっかく学校の近くにあるんだから利用するべきだよと言った。彼は朝食をスタバで取ることもあるというが、自慢げな様子は少しもなかった。彼にとってスタバはコンビニと大して変わらないものだったのだ。

初めてのキャバクラよりも緊張していたかもしれない。私はもっともスタンダードなホットコーヒーのレギュラーサイズを頼みたかったのだが、そんな表記はどこにもない。ドリップコーヒーがそれらしいものだった。(ICE/HOT)という表記も一緒にあるが、その下にショート・トール・グランデというサイズ表記とおぼしきものがあった。果してどのタイミングで、どの順番で注文すればよいのか分からなかった。「ドリップコーヒー、ホットのトールで」いまだに私はこのように、決まり文句のように注文するのだが、正解なのかどうなのかいつも戸惑いを感じる。ホットとアイスで豆の種類が選べるようになっていて、コーヒー豆による味の違いがあるということもこのとき初めて知った。たしか、豆の種類はハウスブレンドだったと思う。

最初に感じた味の印象は香り、そして苦みであった。スターバックスコーヒーの特徴はこれに加えて、独特のスパイシーさだと私は思っているのだが、とにかく初めは苦すぎるように思ったが、香りは気に入った。スタンダードなブレンドコーヒーで苦いと感じるのであるから、深煎りであるスマトラ、イタリアン・フレンチローストはやや避けるようにしている、けれどもカフェベロナはというと悪くない苦みなのだ。逆に中煎りでもケニアは苦みが出過ぎている印象である。マンデリンに代表される豆本来の苦みではなく、煎り具合、高温抽出、酸化、撹拌不足などによる苦みという気がしている。

こんな風に、スターバックスのコーヒーに関して必ずしも好印象というわけでもなかった―値段に関して言えばリーズナブルで申し分ない―が、パイクプレイスローストは私のお気に入りで、本日のコーヒーがこれだとハッピーになる。ちなみに、上記にあげた苦みの際立つものはアイスだとちょうどよいし、ミルクと黒糖を追加することでおいしくなる。

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こちら「パイクプレイスロースト」はスターバックス発祥の地の名を冠しているだけあって、もっとも一般ウケするようなバランスのとれた定番といってもいい味わいである。コクと酸味がほどよく抑えられた飲みやすい一杯だ。香り、スパイシーさはそれほど感じられない。
豆を購入しようと思うと250g1140円とパッケージのデザインや味からするととてもお買い得だと私は思っている。しかし、豆は粒が不揃いで、クズや欠けた豆なども多く入っているため、相応という感じもする。私のコーヒーとの歩みのベースにはこのパイクプレイスローストがある。
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温泉の質にとことんこだわった福地温泉『孫九郎』

このクソ暑いときに冬の温泉の記事を書くなんて、どういう神経をしてるんだ?という批判はごもっともです、気に障らければお付き合いください。

日本には多い少ないというのは相対的なものなので断定することはできないけれども、豪雪地帯がいくつかあって、その一つに奥飛騨温泉郷は数えてもよい雪深い地域である。東海北陸道によってずいぶんアクセスしやすくなったその道中は白鳥ICあたりから徐々に雪景色になってゆく。飛騨清見ICまでハイウェイ、高山市街へ続く道はよく整備されていて難なし。市街から槍ヶ岳目指してぐんぐん進んで行く。完全な冬仕様で臨まなければたどり着くのは困難な道のり。しかし、雪道に慣れていない私には新鮮さとスリルで面白かった。福地温泉は奥飛騨温泉郷の離れともいうべき、わき道を入ってゆく独立した小規模な温泉地。数少ない旅館は精鋭という感さえある。急斜面の中ほどに目的の宿はあった。

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源泉100%、温泉の質にところんこだわった『孫九郎』。飛騨らしい木造建築で横広の入り口は老舗旅館らしく、懐かしさを感じさせる。山に囲まれ、当たりは静まり、降りしきる雪から音が伝わってきそうである。広々としたロビーは、寒冷地のため窓を最小限にとどめていることと、厚い雪雲によって日差しがさえぎられていることで薄暗かった。手厚いもてなしを受け、部屋を案内されるとまず軽く湯あみをした。

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2015年にリニューアルされたばかりとあって、新しさを保ち続けることは不可能ではあるものの、それゆえに新しいということはそれだけで価値がある。リニューアルしてすぐと少しの使用感がどちらも同じ利用料金であることを考えればそのお得感は言うまでもない。新しさと使い勝手や居心地はまた別問題であり、この内風呂は賛否あるかもしれない(もっとも否定的な感じを私は持たなかった)が、木材石材の質感はとてもよかった。泉質に関しては後で、露天風呂の時に書きたいと思う。

食事は大広間にて遠赤ガス使用の炉端風テーブルで川魚と五平餅を焼き、山菜や飛騨牛、地元食材を使った郷土料理を楽しんだ。おそらく実用性の面を配慮して、使われていなかったが本物の囲炉裏もあって、それ囲むようにクマとカモシカの毛皮が敷かれていた。そういえば、スーパードライ瓶が人生で一番おいしく感じたのはこのときだ。
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文学界新人賞へ応募 I氏の助言


「ブログ読んだよ」

と、I氏は、私を優しく射るような目をして言った。

「何か感想はある?」と私は返事した。

「そうだな、まあよくあんなにも多く書けるなと驚いたね。どうせ同じことの繰り返しなんだろうと思ってたらそれぞれ違っている。あれだけ書くネタがあるのは正直うらやましい気もしたね。でも、それぞれには残念ながら深みがないよ。だからむだにたくさん書けるとも言えるかもね。実際どういうつもりでブログを書いてる?」

「文学は好きだし、ああいった自分の好む傾向のものを書いていれば、共感してくれる人や同じ趣味を持つ人たちと交流できるんじゃないかって期待もあるんだ」

「文学をやってるつもりかい?俺はね、Hがまず一本作品を仕上げないと認めないよ。ブログなんて所詮娯楽だ。作品として仕上げると気分がいい。それに同志がやっぱりいて、彼らと話すのは非常に有意義だ。君は現実世界はバカばかりだというが、ネット界はそうではないと言い切れるかい?ブログを通じて知り合った人たちと俺の同志と比べてみたらどうだろうか。彼らは毎日必死に作品に取り組んでいて、賞に応募して切磋琢磨している。次こそは、と俺も思って試行錯誤している。俺からみると、ブログなんかやってないで、小説でも書いて、文学賞に応募するなりした方がいいんじゃないかって思う。書けないことはないと思う。書くことが好きだろうし、続ける根気さもある。俺は誰が見てるとも知れないブログを書き続けることはできそうにない。賞がとれるかもしれないと思えばがんばれるけどね。そうそう、今書いているやつを今度「文学界新人賞」に応募するつもりなんだけど、Hも試しに応募してみないか?俺も刺激になる」

私が内心抱えていた文学に対する葛藤。ブログと作品制作の意義。I氏はそれを鋭く追及したのだ。彼は文学界新人賞のみならず群像や新潮新人賞など様々な作品賞に応募してあと一、二歩というところでもがいているのを私は知っていた。私はどこか彼の才能に対する引け目から応募することにためらいがあった。作品として物語を完結させることさえできないほど才能に恵まれていなかったのである。ところが、彼は適切なアドバイスを私に与えた。

「俺には作品として完結させる実力もなければ、作品にするような物語のテーマもない。新人賞に応募するなんてとても望めないよ」

「わかってないね。大層立派なテーマなんて必要ないんだ。ただ恋愛するだけ、それでもいい。お前が考える恋愛は実はだれもが考える恋愛というわけではないんだ。適当にテーマを決めて、よし、書き始めよう。というのもいけない。書いたことがない人間はそうやって勢いで書いて途中で行き詰まる。それは当たり前だ。でもね、小説にはプロットっていう設計図があるんだよ。物語の骨組みを、そうだな、10個くらい、ざっと場面展開でもいい書いてみるんだ。たとえば、基本の4つは起承転結。細かいことはその都度相談してくれれば、俺だって大した実力はないけど、経験の中からアドバイスできることはあると思う」

彼にアドバイスを聞きつつ、書き始めてみると、なるほど案外すらすらと物語が紡がれていく。ちょうど私は資格の試験を終え、何かこの能動的集中力をせっかくだし、そのまま引き継ぎたいと考えていたので絶好のタイミングであった。ブログの方でも失望させられることもあったりして、少し変化というか刺激を求めていたところであった。こちらはある意味ネタ帳、練習帳として機能するに違いないし、面白いので続けながら、9月末の文学界新人賞に作品を応募することに決めた。
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hajime

Author:hajime
ぜひ、高校生や大学生などの青年諸君に注意深く読んでもらいたい。むやみに多読する必要はなく、知識や思想の力があれば悩みに打ち勝つこともできるのだ。僕自身が高校時代から現在に至るまで苦悩と苦悶を繰り返しながら、懸命に人生について、「善く生きる」とはどういうことか、ということを真面目に考え、行ってきた事実をここに記している。その内容はきっと青年に役立つであろうと思わないではいられない。

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